真波山岳と空気な女子 ��4 ページ24
｢あ…あの…｣
最初は、委員なんてやりたくなかった。
でも、真波くんと話せるようになって。
真面目だって、褒めてもらえて。嬉しかった。
でもここで、断る勇気なんて私にはない。
｢どうしたの？Aちゃん｣
そこへ真波くんがやってきた。
｢今日委員会なんでしょ？一緒にいこ｣
そう言って真波くんは私の腕を掴んで引っ張った。
--------
どうしよう…これってめっちゃやばいんじゃ。
もしかして…後からめちゃくちゃ反感買うんじゃ…。
真波くんに腕を引かれて、嬉しい気持ちより恐怖の方が勝った。
｢何話してたの？｣
｢あの…委員、代わってほしいって…｣
｢そうなの？代わるの？｣
真波くんはキョトンとした。
｢代わり…たくない｣
小さな声で呟いた。
｢最初はイヤだったけど…
やるからには最後までちゃんと責任持ってやりたいし…それに…｣
本当は私、変わりたいんだ。こそこそと目立たないように生きて
色んな事諦める自分はイヤなんだ。
｢俺小さい頃から体弱くてさ。学校もあんまり行けてなくて。
昔はやりたいこととか、いろんなこと諦めてた。
やりたいことも最初から諦めて、ずっとベッドの上で暮らしてる
そんな生活、生きてる感覚がしなかった｣
真波くんが急に自分のことを話し始めた。
｢でも、自転車に出会って、坂を登る楽しさを知って。
この快感を味わうために生きているんだって。
この坂を全力で登るためなら生きていけるって。そう思ってる｣
真波くんにそんな過去があったなんて知らなかった。
悩みなんてなさそうに見えた。
自由に幸せに生きているように見えていた。
｢大げさかもしれないけどさ。Aちゃんもやりたいことはやったほうがいいよ！
あとちゃんと、本音で話さないとダメだよ！
後悔するから。
今生きているのは、当たり前のことじゃないんだよ｣
真波くんが言うからこそ、説得力があるその重い言葉。
｢うん…そうだね…｣
私は足を止めた。
｢ちょっと戻っていい？｣
私は真波くんと一緒に教室へ戻った。
さっき私に話しかけてきたクラスメイトのところへ行く。
｢あの…私、委員長はやめない。
最後までちゃんとやりたいの。それに…｣
自分からこんな風に言うなんて初めてだ。
｢私も真波くんと一緒に委員やりたいから｣
ハッキリとそう告げた。
｢ハ？五十嵐さん真波くん狙ってるの？｣
彼女は、少しバカにしたような顔でそう言った。
｢そうだよ。真波くんかっこいいから、もっと仲良くなりたいもん｣
真波山岳と空気な女子 ��5→←真波山岳と空気な女子 ��3
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 152人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みらい(プロフ) - bell☆さん» コメントありがとうございます(*´ー｀*)そういえば新開(隼人)さんの方はまだ書いてなかった！思い浮かんだら書いてみます☆ (2019年4月25日 21時) (
レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
bell☆(プロフ) - 色んなシチュでお話が読めてすごく楽しかったです！ 新開さん個人のお話も読んでみたいです(*^^)v (2019年4月18日 22時) (レス) id: 02603f117f (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - Fall ill appleさん» 福富さんのお話の台詞ですかね？笑ってもらえて嬉しい（？）です♪ (2018年9月21日 16時) (レス) id: d3f8aa2276 (このIDを非表示/違反報告)
Fall ill apple(プロフ) - 荒北さんの「やるじゃナーイ！！」に吹き出してしまった…。おネエみたいだったので(笑) すみません。 作品、面白いです！ (2018年9月18日 19時) (レス) id: c31f5fcd9e (このIDを非表示/違反報告)
みらい(プロフ) - 詠琉さん» コメントありがとうございます。悠人くんの話が一番自信がなかったので、そう言ってもらえて本当に嬉しいです！ (2018年3月11日 12時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みらい | 作成日時：2018年1月15日 13時
