黒田雪成とワケあり女 ��3 ページ19
「俺はクソエリートだからな」
荒北さんの言葉の意味が、今分かった気がした。
何でも出来る。そういう意味じゃない。
プライドが高くて、人に負けたり、下だと認めることが出来ない。
それが足枷になってるときもあるんだ。
今みたいに。
「俺は…勝つためにはプライドを捨てないといけねえ…」
それから数日後。
俺は荒北さんに頭を下げていた。
「強くなる方法を教えてください！」
荒北さんはいつもの調子だったけど…
「捨てられたじゃねぇか…“プライド”」
「えっ…」
「ついでに他のプライドも捨てろよな…」
荒北さんは含みのある笑みを浮かべた。
「何すか、ソレ」
「プライドの塊のお前が、一番嫌いな俺に頭下げたんだからよ
もう変な意地張る必要ネェだろ」
思い当たる節はあったけど
まさか、荒北さんにまで気付かれてるなんて思わなかった。
「こんなこと言いたくねぇけど…
アイツには好きな人が出来たって言われて振られたんだからな」
「え…？」
「フン！！！お前のことだから誰のことかわかってんだろ！
俺がココまで言ってンだからな！
無駄にすんなヨバァカちゃん！！」
…俺はまだ、頭を下げなきゃいけない人がいる。
俺のことを思って色々言ってくれたのに
あんなに酷い言葉を浴びせた。
…本当は好きなのに。
自分が惨めになりたくなくて気持ちを認められなかった。
次の日の放課後。部活前にAさんの教室へ向かった。
「Aさん！」
教室を覗き、Aさんの姿を見つけて名前を呼ぶ。
「何？」
随分アッサリしてんじゃねぇか。
もう俺のことは諦めたのか？
なんて…俺が言える立場じゃねえな…。
俺は昨日と同じように頭を下げた。
「失礼なこと言って…すみませんでした！」
俺は頭を下げたままAさんの返事を待つ。
「私は靖友じゃないよ」
俺が顔をあげると…Aさんは笑っていた。
「何そんなかしこまって謝ってるの？」
何もなかったかのように、微笑むAさんに胸がときめく。
「あと…この前の言葉取り消していいですか」
「なに？」
「もう、こういうのやめてって…
関わらないでって言ったことです」
「いいよ」
Aさんは優しい。
本当はずっと、この優しさに甘えたかったんだ…。
俺は小さな声で言った。
「貴方のことがずっと好きでした…」
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みらい(プロフ) - bell☆さん» コメントありがとうございます(*´ー｀*)そういえば新開(隼人)さんの方はまだ書いてなかった！思い浮かんだら書いてみます☆ (2019年4月25日 21時) (
レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
bell☆(プロフ) - 色んなシチュでお話が読めてすごく楽しかったです！ 新開さん個人のお話も読んでみたいです(*^^)v (2019年4月18日 22時) (レス) id: 02603f117f (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - Fall ill appleさん» 福富さんのお話の台詞ですかね？笑ってもらえて嬉しい（？）です♪ (2018年9月21日 16時) (レス) id: d3f8aa2276 (このIDを非表示/違反報告)
Fall ill apple(プロフ) - 荒北さんの「やるじゃナーイ！！」に吹き出してしまった…。おネエみたいだったので(笑) すみません。 作品、面白いです！ (2018年9月18日 19時) (レス) id: c31f5fcd9e (このIDを非表示/違反報告)
みらい(プロフ) - 詠琉さん» コメントありがとうございます。悠人くんの話が一番自信がなかったので、そう言ってもらえて本当に嬉しいです！ (2018年3月11日 12時) (レス) id: ac176d995c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みらい | 作成日時：2018年1月15日 13時
