葉山翔太の弟が、恋をしてしまったらしい【オリジナル男性声優】 (ページ2)

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葉山裕太side

　暇。今ものすごい暇。

　暖房のグォーって音しか響いていない部屋で、僕、葉山裕太はそう思った。

　ちなみにこの部屋には僕以外誰もいない。

　実の兄である葉山翔太は、

　「じゃあ仕事行ってくるねー」

　とめっちゃ着こんで何かしらのイベントに行った。

　同じ仕事仲間である佐藤さんや尾崎さんは、

佐「すみません…今実家(福岡)に帰省してて…」

尾「え？今？…友達と遊んでるけど？」

　どちらも賑やかな雰囲気がスマホから出ていたから、たわいもない話をしてすぐに切った。

　ていうか、尾崎さん28にもなって友達と遊んでんのかよ。

　
　交友関係めっちゃ気になるんだけど。

　…あ、これで一人だったらそれはそれで面白いかも。

　録画したアニメは全部見た。

　…おそ松さん面白かったな。

　前に爆買いしてきた漫画と小説も、全部読んだ。

　ハリーポッターってやっぱ名作だよね。

　今からでもホグワーツ魔法学校行きたい。

　―――――これから何しようかな。

　目を閉じ、瞑想のごとく考えてみる。

　ゲーセン？

　…クレーンゲームとか一人でやるの好きじゃないんだよな。
　ワイワイ盛り上がりたいし。

　カラオケは？

　…何か恥ずくない？一人だし。

　また本屋行く？

　…絶対荷物増えるじゃん。

　あ、じゃあ。

　適当にぶらぶらしてようかな。

　で、気になったお店とかあったら入って暇潰せばいいや。

　

　そんな考え事をしながら、ダウンジャケットに腕を通し、カバンを肩にかけ、

　
　「行ってきます」

　まだ少し肌寒い外に出た。

　さて、どこに行こうかな…。