壊れてしまう貴方へ【まふまふ】

十四日目 ページ16

side＿kanata

所変わって、ここはファミレス。

オレの隣と目の前で、呆れたような目付きの二人....天月と９６猫がいた。

「さぁてと？ゆっくりと言い訳を聞かせてもらおうかそらるん。」

チビっこいくせになんかこわい。てか、オレらが歌い手だってのをもうちょい自覚してくれ。

「いやあ、ごめんって。でもここでその名前を呼ぶな」

「今何時だと思ってんすか!もうすぐ１２時です!作業溜まってたのは承知ですよ!?ですけど....」

隣からも、馬鹿デカイ声で不満を垂れ流す天月。ちょ、お前年齢が３つ上で歌い手歴も２年上の先輩にそれかよ....

「わかってる。ごめんって....あとうるさい。」

さすがのオレもちょっと泣きたくなった。だって納期ギリギリのMixが溜まってたのに気付いたの昨日だもん....

「それは彼方さんが悪いです。」

「確認しとけ。あほるん。」

「えっなに声に出てたパターンなのこれ。」

あほるんとは。

あーあ、アイツならオレがちょっと遅刻したくらいなら笑って許してくれるかなあ....。





真冬なら。


あの曲は、どうするんだろうなぁ。

なんて考えてると、ふいにスマホが鳴った。LINEだった。

「誰から?」

天月がスマホを覗き込む。

「ちょっとね。」

真冬からだった。

まふまふあの曲、まだうpとかはしないことにしました。
まふまふあと一人、聴かせたい人がいるんで、その人に聴かせてから考えることにします

聴かせたい人....?

聞きたいことはいくつかあったが、彼なりに考えていることなら口出しはしまいと思った。

そらるそっか、わかった
そらるまたなんかあったら連絡よこせよ〜


返信後、頼んだ丼カツが来たので急いでスマホをしまった。

割りばしをぱきっと折ると、９６が聞いてきた。

「最近知り合ったっていうあの子かな?」

「ん、あぁ....まあね。」

「えっ、知らないの僕だけ?」

戸惑っている天月に、「今度話すよ」とだけ言って、カツを一つ放りこんでやった。

「え、そらるんそれ間接キス....」と引き気味の９６には、「タピオカ奢る」とだけ言っておいた。

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