【イナイレ】夏色デイズ. 【カゲプロパロ】 (ページ27)

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memory23～誰が救う？～ページ27

霧野「……分かった」

霧野くんが差し伸べた僕の手を取ってそう言った。

その手からはほんのりと温かさが感じられ、僕は嬉しさから思わず霧野くんに抱きついた。

亜風炉「ありがとッ！！」

霧野「うわッ！？何だよいきなり！？」

急に抱きついたからかな？霧野くんの顔が物凄く赤くなってる。

この子女の子みたいに可愛い顔してるからな～紅潮させた顔がとても美しく見える。

それにしばらく見とれていると…

猫「ウニャアアアアアッ！！」

亜風炉「うええッ！？あ、ゴメン！」

抱きついた時にだと思うのだけど、近くにいた猫の尻尾を思いきり踏んづけていたみたいだ。

そのせいでかなりお怒りのご様子。

ああ団長か鬼道くんがいれば、猫の言葉も分かるのにな…。

猫「シャアーーー！」

亜風炉「ホンットゴメン！だから許してよ～！」

何言ってんだか分からないけど、取り敢えずめっちゃ謝っておく。

霧野「何やってんだよ……」

後ろで霧野くんが呆れてる。いやこれ事故だからね！？仕方ないからね！？

？『霧野先輩、やっぱ猫って可愛いですよね～』

霧野「……ッ！？」

突然霧野くんがその場にへなへなと座り込む。

額に冷や汗を浮かべて、その華奢な体を震わせて…何かに怯えているように。

亜風炉「霧野くんッ！？」

霧野「何で……何でだよ……狩屋ァ……！」

『狩屋くん』…それが友達の名前なのかな。

カゲロウデイズに飲み込まれた霧野くんのお友達。

もしかして今何らかの拍子に、嫌な記憶がフラッシュバックしちゃったのかも…。

霧野「……俺はお前とこの先も……ずっと一緒にいたかったよ……！」

霧野くんのエメラルドの瞳から透明な涙が溢れ、地面に落ちていく。

切実な願いさえも壊してしまうカゲロウデイズ。

その現実を今、痛いほど実感した。

そうだよね。大切な人と別れるなんて…そんなの誰だって辛すぎるよ。

僕だったらずっと泣いてばかりだと思うもん。

その痛みが分かる今こそ、霧野くんを助けたい。

でも、どうしたらいいか分からないんだよ！！

ねえ神様！いるんだったらどうか助けてよ！！

あれからしばらく経った。

僕はずっと無言で立ち尽くしてばかりで何も出来ずにいた。

目の前には今だに涙を流し続ける霧野くんがいる。

ずっと大切なお友達…狩屋くんの名前を呼びながら。

結局神様なんていないんじゃん。

…いや、いないんならなればいいんだ。

僕が霧野くんの願いを叶える神様になればいいんだ！