【名探偵コナン】公安少女は潜水する - 黒鉄の魚影 -

潜水 - 25 ページ25

『捉えた！』




完璧に車の姿を捉えた私は開けた扉から身を乗り出して
屋根の上に乗り上げる
江戸川くんが先に構えているのは分かる。でも、もしもの場合を考えて腰に巻いたベルトを手で握りしめてタイミングを見計らった。




「飛ぶぞピンガ！」

『阿笠さん右！！』




最大の声量で指示を出すと車が向きを変え遠心力で飛ばされそうになるも窓枠を握りしめ事なきを得た
曲がった車は速度を落とすことなく駐車場を突き抜け、車止めの柵に突っ込み黒い溶岩が延々と積み重なった台地を走っていく。
その様子を見ていた江戸川くんも同じように車の後を追いかけて車の隣に並ぶ。
先頭を走る車はよりいっそうスピードを上げ、断崖から海に飛び込んだ




コ「嘘だろ！？」

『コナンくん行くよ！！』

コ「は？！行くって何……ッ！！？」




急ブレーキで止まった車からベルトを江戸川くんの手に輪を投げ遠心力で江戸川くんを腕の中で強く抱き締めて断崖から飛び出した。
江戸川くんが掴んでいたスケートボードを手に取りターボを踏み込み崖をスケボーで下る




『しっかり捕まってて！息吸って！』




「嘘だろ！？」と腕の中で驚きの声を上げる江戸川くんを無視し暗視スコープを口に咥え足を踏み込んで垂直に海へと飛び込んだ。
海の中でベルトを切り離し暗視スコープを目に装着し足を掻く海底へ向かい泳ぐ
すると後ろからライトが照らされ、スコープをつけた目を閉じながら後ろを振り返る

そこには腕時計のライトを照らしながら潜る江戸川くんの姿があり、私は目の前を指さした。
私の指さした先には先程逃走用に使った車が沈んでおり、近付こうとすると後ろからゴポッと音が聞こえ再び振り返った

息が限界を達したのか口を抑える江戸川くんを見て私は踵を返し海面へと足を急がせた

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