【名探偵コナン】初めてを職場の上司で卒業したようで…？

28話 ページ28

『…そ、それは……ｯ………』

降「Aがやめたいなら、僕は止めない。」

『…………そう…ですか…』

降「やめたい…？僕との結婚生活」

『……………私、零さんになにもあげられてない…』





感謝の言葉も、愛の言葉も、普段の生活も…零さんに支えてもらってばかりで……
零さんの成り行きで結婚することになって、楽しかった…。
全てが新鮮で、感じるもの全てが楽しくて…嫌になれなかった…





『私…降谷さんの事……嫌いでした…』





口うるさくて、無茶ぶりばっかりで、説教も良くしてくるし、私たち部下の事を物みたいに扱って…
尊敬できるのは、仕事に対してぬかりがなくて真面目な所ぐらい。
性悪上司って心の中で呼んでたくらい嫌いだった…





『でも、今は好きです…誰よりも何よりも……降谷さんが…零さんが大好きです…。』





料理上手なとこ、車の運転が上手なとこ、実は部下の事を大事にしていて、心配もしてくれているとこ…冗談みたいな事ばっかり言ってきたり、ちょっと下ネタが多いところも……全部好き…





『最初は無茶苦茶だなこの人って思ってたの……。私の意見も何もなしに結婚して、旅行まで来るんだもん…本当に無茶苦茶………でもね、私…その無茶苦茶も悪くないって思ってるの…』

降「……うん…」

『だから…だからね……私、これからも零さんと一緒に居たい………』

降「……あぁ。僕もだ」

『……私…何も、零さんにあげられないけど、それでもいいの…？』

降「っはは、そんなこと心配してたのか？」

『わ、笑う事ないじゃん…！』

降「……そんなの要らないさ。僕は、Aから何か欲しいわけじゃない…Aが欲しいから一緒に居るんだ」

『！ なに…それぇ……』

降「それに、こんないい女性逃す訳ないだろ」

『…………ばか…』

降「随分な誉め言葉だ」

『ぁっ………ｯ……んっ…ぅ…』





きっと、私はこの人の沼からは逃れられないんだろう…
気が付かないうち、既に降谷零という男に嵌っていたのだから───

零が伸ばす手が私の頬に触れ、そっと唇が触れた。

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