【名探偵コナン】ただ下着を履き忘れただけなのに

28話 ページ28

松「着いたぞ」

『うわぁ！凄ｯ！広ーいｯ！』

松「ここ、俺と萩原でガキん時に探検だつって見つけた場所なんだよ」

『へぇ〜……穴場ですね』

松「おう……」

『あっ！花火始まりますよ！』





展望台のようになっている広場の崖に設置された柵の方まで歩き手を置く。
草木もなく、視界が広がり、花火大会に来たであろう人達が遠くで小さく見える。

ドォン、と大きな音を立て目の前が色とりどりに光り輝く。





『凄い……』

松「だな……」

『花火なんて小学生以来だな……ちょっと写真撮ってもいいですか？』

松「許可なんて必要ないだろ」

『え"ｯ、絶対いると思ってた……』

松「お前なぁ……」

『ハッ！頭グリグリでもしますか？！』

松「ばぁか、しねぇよ」

『っ………じゃあ、写真撮らせてもらいますね！』





初めの頃の印象が強いせいか、私に向けて優しい表情されるといちいち反応しちゃって色んな意味でしんどい……

花火に向けてスマホのカメラを向ける。
カメラ越しでも綺麗で、少し気持ちが楽になれた。
見てる視界が狭まり花火にだけ集中出来るから…………





『…………』

松「…………」





無言のまま、花火の音だけが広がる。
五月蝿かった鼓動も、花火の音にかき消される…

花火全体を撮りたくて、少し後ろへと下がった。
その時、カメラのフレームに松田の姿が入り込んだ……
花火に照らされる後ろ姿が、凄く綺麗で………気がつけば『好き』と、口から零れた…

レンズ越しに私の方に振り向く。
私はまた、無意識にシャッターを切っていた

それと同時に視界が暗く変わった……

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