【名探偵コナン】転生したら女で、しかも零の妹だった件について

2きゅう話 ページ29

『ひろくん、あのね……』


景「ん？」




家に帰った俺は、返された作文を手に握りしめひろに声をかけた。
最近ひろは、零と警察学校に向けての勉強を家にしに来ている
どんどん本格的になって来ているのが目に見える




『え、えっと……その、あ…のね…………？』


景「うん？」




俺の言葉にわざわざ手を止めて俺の言葉を必死に聞こうとしてくれている
ひろの邪魔にならないように早く言わないと行けないのに、行けないのに……
なんで、 好き とか、 付き合って とかなら簡単に言えるのに、なんで……




景「Aちゃん？」


『ひっ、あの…………ぁ、ぅ……』



じわっと視界が揺らぐ
言えよ、俺…………言えなくても渡すだけでいいんだよ…！
ひろの邪魔だって、さっさと言え、渡せよ俺




景「ん〜……ほら、ここおいで」




手で隣をポンポンと軽く叩く
俺の手の力が強くなり、ゆっくりとひろの隣に座る




景「どうした〜、いつもは積極的なのに」


『んっ……』




頭を撫でられて思わず頭をその手に擦り当てる
手の感覚がすごい落ち着く……




景「珍しく消極的だな〜……オレに何か伝えたい事があるんじゃない？」


『ぅん………あのね、ひろくん…………これ……』


景「ん？あぁこれって作文だよね。昨日書いてた」


『これね……ひろくんになの…………』


景「オレ宛…？」


『……ん………………ね、ひろくんもっと頭撫でて…？』


景「っふふ、はいはい」




俺が作文を渡すと手を止められて、思わず強請る
また頭を撫で始め目を細める




景「これ、今読んでもいい？」


『ん……』




この状況に浸っていたせいか上辺だけの返事を返す。
カサッと紙の擦れる音が、何故か心地よく聞こえて来てフワフワと頭が遠くなり、それ以降の記憶が途絶えた。




零「ひろ〜、お前が言ってた参考書……ってA。ここにいたんだな……。
寝てるのか……ひろ、Aの………………どうした？部屋暑いならクーラーつけるぞ」


景「えｯ…あ、いや……大丈夫。ありがとう零」


零「……ならいいけど。」

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