【名探偵コナン】俺より勝る "男は" いない ２

引き分け ２４ ページ4

言った…………

ドクンドクンと心臓の音がうるさい
たわいも無い、なんの変哲のないセリフのはずなのに…なんだよコレ
今にも破裂しそうだ



『それはデートのお誘いかな〜、萩原くん』



くるっと振り返り歯を見せニシシと意地悪そうに笑う
その時風が吹きAちゃんの髪が揺れる

ドクッと心臓が高鳴る。
体温が高くなる感覚に俺はAちゃんの言葉に頷くことしか出来なかった。



『嬉しい。』


萩「ｯ…!!//」



勘違いさせられる返事に期待してしまう。
Aちゃんも俺の事が好きなんじゃないか。って
俺を特別視してくれているんじゃないか。って………



「あれ。あの時のおにーさん？」


萩「……えっ」


「あーやっぱりそうだ！あの時は新一を助けてくれてありがとうお兄さん！」


萩「………………ああ！あの時の子か」


『萩原くん。この子は？』


萩「あｯ！え、えっと……休憩中に少し」



班長と陣平ちゃん、諸伏ちゃんと4人で休憩中キャッチボールをしていた時に水道管を壊したと泣いていたあの時の子供。
男の子の名前は新一と呼ばれていたから覚えている。



『随分と小さい彼女を誑かしたみたいだね』


萩「いや！そんなんじゃないから！！」


「おねーさんは、お兄さんの彼女さんなの？」


『私かい？』



女の子の身長に合わせてしゃがみこむ
Aちゃんの言葉に「うん！」と元気のいい純粋な眼でAちゃんを見る



『そうだね〜…………そうなればいいな。と思ってるかな』



小さく女の子の耳元で何かを呟くとキラキラとさせた目で「そうなんだ！」と相槌を打つ
俺の耳には入ってこない台詞と女の子の反応を見てまた俺の思考が都合のいい方向へと考えてしまう



『所で、お嬢さんは一人かい？』


「ううん！新一と新一のお母さんと3人で来てるんだ！」


『辺りにそのような方々は居ないようだが1人でお散歩かな？』


「ううん？私が新一を探してるの！」


『ふふっ……そっか。じゃあお姉さんと一緒に探そうか。お姉さんこう見えて人探しは得意なんだ。』


「いいの？！ありがとうお姉さん！」


『さて、私は一緒に探すけど萩原くんはどうする？みんなの所に戻るかい？』


萩「……いや俺も手伝うよ。俺は一度あった事あるからその方が心強いだろ…っと」


「うわっ！」


萩「高い所からなら見つけやすいだろ？」



女の子を抱えあげると首にぎゅっと手を回す
ニコッと笑みを向けると女の子も笑みを俺に返してくれた。

引き分け ２５→←俺の負け １２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す