【名探偵コナン】俺より勝る "男は" いない ２

引き分け ２７ ページ7

『ふぁ〜…………』



さて、どうしたものか。と萩原くんに対して頭を悩ませながら浮き輪で海に浮かぶ

正直、萩原くんのイメージはだいぶ良い。
最初出会った頃と比べると、萩原くんも私に心を開いてくれているような気がする。



『そもそも萩原くんはいつ頃私を好きになったんだろうか……』



嫌われていない事は最初から分かっていたけれど……
同性からも異性からも何度か告白されたこともあるけど理由が分からない。
私はただ普通に接しているだけなんだけどな……



『そういえば、あの迷子の子親の元に帰れたのかな』



蘭ちゃんを新一くんの所まで連れていったのはいいけど親の元にたどりつけたのかどうか。
最後まで確認してなかったのもあるけど。新一くんはシッカリしてたし蘭ちゃんも独りじゃなければ大丈夫だろう……と思いたい。



『ちょっと心配かな……………………って待ってここ何処だ。』



上ばかり見て考え事をしていたせいか気が付かなかった。
沖に流されていたようで裏側へ回ったのか少し離れた所なのか分からないけれど、人影すらも見当たらない

とりあえず浮き輪から降り空気抜き岩場をくぐり抜けながら周囲を見渡す



『ゴミや破片がない……人の影が見えないとなると、穴場かなにかか……掃除されている痕跡あり』



元居た場所よりは程遠くない場所なのだろう。
足場も悪くない。南方面は岩も少ない

人が居そうな方に足を進めようとすると背後からカツッと小石がぶつかり合う音が聞こえ後ろを勢いよく振り返った

見えるか見えないかのほんの一瞬視界の端に子供の足のようなものが映る
ブワッと嫌な汗が流れる
過去がフラッシュバックし心臓が早くなる。



『ま、さか…………ｯｯ！ﾌｯ…は……はｯ、はっ……はぁ、ｯ…ﾌｰ、ﾌｯ…ｽｰ、ﾊｧ……』



薬も服用していたおかげか何とか呼吸を整える
ここはあえて冷静に、慌てずに普段通りに歩み寄ればいい。
何もないよう、たまたま巡り合わせたように話しかければいい。
反応はせずに、大丈夫。演じろ……



『こっちかな…………あっ！あの〜すみません…私道に迷っちゃって…』



岩の裏に隠れるように居た男性3人組。
一人は子供を抱いていて、その子供はとても見覚えがある男の子で、手首にはあのブレスレット。
居るはずの無い人間とこの現状は、私の予感が的中してしまったのだと思うに十分すぎる程だった

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