10話 - 小さな子供 ページ10
『ッはぁ……ハッ………はぁっ、ぁッ……っ、ん"ッ……………ふ、ッ………はっ…ッ、!』
どうしよッ、どうしよう……ッ
怖い…ッ………!
外はガヤガヤと騒がしく人で溢れかえっている。
耳に入ってくる音が、目に入ってくる情報量が全て多くて……初めて外に出た私の脳内は混乱を招いた。
後先考えずあの場所から逃げ出して、ご主人の元に帰りたいの一心で足を動かした。
『い"ッ…!………ぁっ……』
ズキッと足元に痛みが走り足元に視線を送ると今更靴を履いていない事を知り道の端に寄り座り込む。
足の裏はガラスの破片でも踏んでしまったのか血が流れていた。
唇を噛み締めた後、ギュッと服を握りしめ立ち上がろうと腰を動かした……その時、正面の方から「ねぇ、大丈夫?」と声が聞こえて来た。
その声にゆっくりと顔を上げる。
そこにはご主人でも、あの人達でもなく、そこに居たのは小さな子供だった…
?「うわっ。足から血が……僕、絆創膏持ってるからお姉さんにあげるね!」
『ぇ、ぁっ……』
?「って、お姉さん靴はどうしたの…?」
『っ……ぁ………な……無くした、の……』
?「無くしたって……………お姉さんのお家は?良かったら家まで送っていくけど……」
『! いッ、家…………ッわ、私……の………』
子供に住所を聞かれ答えることが出来なかった。
不審そうな表情を向けられて、このままだとダメな場所に連れていかれる……。
ダメな場所だといっても何処か分からないけれどそんな気がして、逃げないと。と思考とは考え無しに身体が動いた。
『わたッ………私ッ…!だいッ、じょうぶ、でッ、すッッ……!』
驚き私に手を伸ばす子供の手を避け立ち上がる。
そんな目で私を見ないで……ッ
私は、可哀想な子なんかじゃない……
「………… ────?」
『っあ……ッッ〜〜〜…!ご主人…!』
「なんで外に……ッ約束、破ったのか」
『ヒッ…!ちが、違うのッ!しら、知らない人が……私をッ……!』
「…………帰ったらお仕置だな。」
?「おじさん。お姉さんの家族なの?」
再び逃げようとした私の前に、私の名前を……いつも呼ばれている声で呼ばれた、
声の方を向くとご主人の姿がそこにはあった。
私が外にいることに不機嫌そうな表情を向けられヒュッ、と喉が掠れた感覚に襲われ否定しているとさっき私に声を掛けた子供がご主人に声を掛けた……
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ネコ枕 - 景光落ち最高です..話も面白くてすごい好きです!! (1月14日 2時) (レス) @page47 id: eb7a4a6b55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みらい@マサイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mirai1212
作成日時:2023年12月6日 19時