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43話 - キス ページ43

諸伏side





突如頭を抱え苦しみ出すAに、オレはAの肩を揺すり必死に声をかけた。
まるで何も聞こえていないかのように、オレの声に反応することも無く、ただただ、声を上げる。

声も届かない。反応もない。
絶対に守ると言ってこのザマなのか……こんなの、Aがオレを選んでくれたのに無駄になる…ッ





諸「A!」





どうする、どうすればいい……オレはッ、オレは好きな奴1人も守れないのか……ッ!






諸「ッ…………」

灰「呼び掛けを辞めない!続けて!」

諸「ッ……でも、っ…オレの声は…………」

灰「いいから続けなさいッ!彼女が戦っているのに貴方が諦めてどうするの…!!」





子供に喝を入れられるのはいつぶりだろう…昔、零にされた以来か……
…………変わるって決めたんだろ。だったら諦めるなッ





諸「A……頼む…………A!」





思いを込めてAの名前を呼んだ。すると、ピクリとAの身体が反応した。
それが最後のチャンスだと思い、Aの肩を握る手を強くした。
ポツリポツリと小さく何かを呟いているA……





───『……私は、汚れたの。捕まった時から私の人生は狂った
何も知らないから景達は私を受け入れた。穢らわしい…体も、心も…穢れてる
傍に居る資格なんてない。』───

諸「Aッ…!!」

『ッあ……』





Aの呟いた言葉に反射的に今日1番の声を上げた。
その声がAに響いたのか、何か思いついたように声を出しオレの方を見つめた。
涙を流し、やってしまった。と思い詰めた表情をオレに向けた。
そんなAに気がつけば、口から言葉が零れていた





諸「資格なんて関係ない。"オレ" が "A" と居たいんだよ……Aは綺麗だよ…穢れも知らない、綺麗なままだ」

『違う…ッ……私は、穢れたのッ………何もかもが汚くて触れられる資格なんてな───ッ!』

諸「綺麗だよ。Aは……でないと、こんなこと出来ないだろ。」





きっと、Aは過去に犯した行動に何か不快感を覚えていて、それが枷になっているんだと思った
だから、それを全て消し去る術が口付けだと思ったんだ……

額を合わせ頬を持ちニコッと笑顔を向ける
事を理解したAは顔を真っ赤にして流していた涙を止めた。





諸「A。おかえり」

『あッ、ぅ……っ…ッ…………た、だいま……っ』





反応も、言動も全てAのままだ…
あとはオレが望むAの記憶だけ…か……

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ネコ枕 - 景光落ち最高です..話も面白くてすごい好きです!! (1月14日 2時) (レス) @page47 id: eb7a4a6b55 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みらい@マサイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mirai1212  
作成日時:2023年12月6日 19時

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