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20話 - 繰り返す ページ20

『よしっと……ご主人こっち準備出来たよ』

「あぁ。こっちもできたよ。忘れ物はないな」

『うん。大丈夫…ご主人この前はごめんなさい………』

「いいんだよ。それよりも体調に変わりはないか?寒気がするとか頭が痛いとか」

『ッ!……大丈夫!そんなことより早く行こう…?』





ある程度の荷物をボストンバックに詰め込みファスナーを締める。
今日は、私とご主人である "エチル" とここを離れる日だ

あの日景が私の元へ訪れた翌朝、私は何かを引き金に無くしていた記憶を取り戻すこととなった。
でも、私の過去が、現状が皆に対して顔向けできないと判断した私は、記憶のないフリを続け "ご主人" に付いて行く事にした。
Aを捨てて一から……


きっとご主人は私に変化が起きた事に気が付いてる。
探るような言葉遣いに、今まで確認しなかった体調に関しての事…どこか感づいている。
ココにいる男、エチルは、私の記憶を奪った張本人。
そして私がミスを犯し捕まってしまった時、薬 物の投与…モルモットとして扱っていた主要人物だ。





「じゃあ行こうか。A」

『うん! えっ………い、今…何て……』

「戻っているんだろ。記憶が」

『……………な……あがッッ…!!』

「このまま従順なAでも良かったが、都合の悪い事もあるもんでな」





首をガっと掴まれ息を吸う道を閉ざされる。
足が浮き頭にガンガンと強い痛みがあふれ出す。





「また、記憶の消去をさせてもらう。何も覚えていない真っ白な脳にな」





ゴソっと自身のポケットから注射器らしき物をゆっくりと取り出した。
中には緑色の液体か入っており、粘着のある液体が注射口から溢れフローリングの上にポタリと垂れ落ちた。
私の首筋を注射器で撫で、耳朶へ針がゆっくりと奥に侵入してくる。
血管を液体が流れていく感覚に喉の奥から異物感が沸き上がる。

ただ、咽喉を締められているせいか表に出される気配がない…





『ぁ"……ぉ"………ガッ……ァ"…は、ァッ────』





グルリと視界が上を向き、プツリと意識が途切れた…
寸前で見えた光景は、全てが白紙へと変えられた真っ白な光景だった

21話 - 記憶喪失→←19話 - 光



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ネコ枕 - 景光落ち最高です..話も面白くてすごい好きです!! (1月14日 2時) (レス) @page47 id: eb7a4a6b55 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みらい@マサイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mirai1212  
作成日時:2023年12月6日 19時

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