19話 - 光 ページ19
あれからご主人とは会話もしないまま一夜を過ごした。
いつものおやすみのキスも、撫でてくれた手も、、、無かった…。
そのせいだろうか、彼にされたキスが頭から離れず忘れられなかった……。
あの男性が私に執着する理由が分からない。
私はただの一般人で、あの人との面識は一切ないのに…
──────────ジジッ…ジッ__
『ぅッ……………まただ……』
脳内のノイズが記憶を隠す
思い出したくないとは裏腹に押し込んでくる記憶に頭が痛む
何か忘れちゃいけない事が昔に………
頭の中の鍵が開けられ光差し込まれた感覚が襲ってきた、その時頭を強く殴られたよなう痛みが頭を揺する
余りの痛みに声にもならない声が零れる。
ガンガンと痛む頭に息ができない
『う"ぅッ』と声が漏れ、余りの痛さにベットの上に体を縮め頭を抱える。
痛いッ…ヤダッ。怖い…ッ、誰か助け─────
プツッ── と、何かが切れる音が脳に反響し、気が付くと私は涙を流していた。
何が引き金となったのか閉まっていた記憶が勢いよく頭の中に流れ込んでくる。
私が景光達と同期だった事、皆と一緒に過ごしてきた時間、卒業してからの事全て………
『……………ははっ…ダメじゃん私……』
全て思い出して、乾いた笑いが込み上げる。
今更皆の所に戻りたいだなんて都合がいいにも程がある…。
私は皆から逃げて、拒んで…否定した………そんな私に今更、戻りたいなんて言う資格なんかない…
『ごめん…景……皆…………』
こんな事になるなら、
記憶なんて、、、最初から無ければいいのに──────
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ネコ枕 - 景光落ち最高です..話も面白くてすごい好きです!! (1月14日 2時) (レス) @page47 id: eb7a4a6b55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みらい@マサイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mirai1212
作成日時:2023年12月6日 19時