16話 - ノイズ ページ16
『ン"ッ、ふ……アッ…ッ。』
「っ……ん"…………ふッ……」
『ッア"ッッ…!』
「ン………ふ…っ……はぁ… ────。こっち」
『んっ…ぅ…………んッ、チュ…はっ、んぅ……んッ…あっ』
ズルリと私の中から異物が抜ける。
ゆっくりと撫でてくれる頭に、心臓の音が伝わってくる
「もう、俺の傍から離れないでくれ……」
『…………うん。私は、ご主人の物だよ。』
だって、ご主人は私の命の恩人なんだもの……
だから私は……
──────────ジジッ__
『ぇ……』
「 ──── ?」
『……あっ、なんでもないの!ご主人ッ、もっと頭なでなでして…?』
一瞬、頭の中で砂嵐が起こった。
目の前で見ている光景が電波の悪いテレビみたいにノイズがかかり、別の映像に切り替わった
私はその光景を知らない。
でも、その声を私は知っている
何処かで聞いたことが有る懐かしい声だったから……
「……次はどこに行こうか」
『……………遠い所がいい…雑音も何も無い、ご主人と2人で居れる空間がいい……』
「そうか……なら九州辺りでも行くか。そこで別荘でも借りてずっと2人で暮らすんだ」
『〜〜ッ、素敵!私嬉しい!』
「俺もだよ。ずっと、2人で……」
『……ご主人、大好きっ』
「俺も大好きだ。誰よりも……」
私はご主人が居てくれたらそれでいい。
さっき流れた映像がどうであれ、あの人たちが私の昔を知っていようがどうでもいい。
私は…今の現状で十分だから…………
「 ────。お腹空いただろ…夜食にしよう」
『ううんッ!お腹空いてない!だから傍に居て…?』
また離れ離れになると考えたら怖くて、布団から出ようとするご主人の腕を引き止めた。そんな時、私のお腹が割り込むようにグゥと鳴いた。「大丈夫、すぐ戻る。」と額に唇を落とし私の掴む腕の中からすり抜けた。
部屋を出ていくご主人を見てギュッと布団を握り締めた……。
?「……本当に居た、、A」
『っ…!』
背後から聞こえた声にビクッと身体を跳ねさせる。
何処かで聞いた声にゆっくりと後ろに振り向いた。そこに居たのは諸伏景光の姿だった。
闇に紛れるかのように黒く染まった姿で
諸「さぁ、一緒に帰ろう」
窓枠に手を掛けて私に向けて手を伸ばす。
そんな手が、また脳内にノイズを流した
脳を埋め尽くすノイズに頭が痛くなり伸ばされた手を、私は振り払った
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ネコ枕 - 景光落ち最高です..話も面白くてすごい好きです!! (1月14日 2時) (レス) @page47 id: eb7a4a6b55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みらい@マサイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mirai1212
作成日時:2023年12月6日 19時