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11話 - 言えない。 ページ11

?「おじさん。お姉さんの家族なの?」

「…………だったらどうなんだ。お前には関係ないだろ」

?「ふ〜ん……家族に靴も履かせずそんなものまでつけて、本当なのかなって思ってさ」

「何が言いたい。」

?「…………お姉さんはおじさんの本当の家族?」

「………………あまり、俺達に関わるな。行くぞ ────。」

『!………うん…!』





ご主人に手を引かれギュッと私も握り返した。
久しぶりに触れた、大好きなご主人の手が少し冷たく感じたのは……私の気の所為なのかもしれない





『ぁッ、待って…!ご主人ッ……お願いしますッ、待って、ッ……ご主人ッッ!あの家はダメなのッ…!』

「…………なに?」





私の制止も全く耳に届いていないような感じで、何か急いでいるように足を進めるご主人
そんなご主人に届くように私は、今日一の声を上げた。





『わッ、私は………あの家から、二人の男の人に連れて行かれたの…………だからッ!また家に戻っちゃったら、私ッ…!またご主人と離ればなれにさせられちゃうッ!』

「男、二人……容姿は覚えてるか」

『ッ………!』





その時、諸伏景光の顔が脳裏に浮かんだ。
私を連れ去った人の1人……
何故か私は、ご主人に向けて首を横に振った。教えないとまた同じ事が起きるかもしれないのに……でも、口に出すことが出来なかった。





『ぼッ、帽子を被ってて……で、でも真っ黒な格好してた…!』

「…………────。 家に帰ろう。そしてすぐ引っ越すんだ。今度こそ二人で居れるように」

『ッ〜〜〜!うん…!』





さっきまでの冷たい表情とは打って代わり優しく微笑みかけてくれたご主人にお腹の中が暖かくなった。

私が初めてご主人にした隠し事。
きっともう出会う事の無い人だから、私に優しくしてくれて気にかけてくれたから……あの時、知らない人から私を引き離してくれたから…………
だから、最初で最後の嘘をご主人につく……

もう、嘘はつかない。

12話 - 通じ合う思い→←10話 - 小さな子供



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ネコ枕 - 景光落ち最高です..話も面白くてすごい好きです!! (1月14日 2時) (レス) @page47 id: eb7a4a6b55 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みらい@マサイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mirai1212  
作成日時:2023年12月6日 19時

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