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『落ち着いた…?零』
降「っ……フッ………あぁ、すまない」
『別にいいよ。気にしてないから』
数分、私を抱き締めながら涙を流していた零の呼吸が整いだしたのを感じて、背中をトントンと掌で叩く。
少し目の下が赤くなっているのを見て頬が緩む
『それじゃあ落ち着いた所で…………どういう事か説明してくれるかなー!』
降「いっつつつッ」
なるべく空気を、零がマイナスを感じないように明るく話しかけながら零の頬を引っ張る
まあ少しの恨みも込めたけどね。
零が要らない事言わなきゃスムーズに行けてたかもしれないし
降「す、すうからせちゅめい!」
『ふむよろしい……では聞こうか』
離された頬を手で摩ったあと、私に視線をジッと向ける
少し言いにくそうにしている零に『はぁ』と小さく息を吐いた。
『ねぇ零』
降「っ……」
『零が私を思ってした事だってちゃんと分かってるよ
私を危険な目に合わせないようにしてくれたんだよね?』
降「……………あぁ」
『ジンに報告したのも、私をあそこへ行かせない為だったんでしょ?ジンが私を始末させる。って分かっていたから』
降「………そうすることでAは態々危険な道を辿らないと思ったんだ
あそこでAが引き返せば、Aに傷を負わすことはなかったから…」
『…………だと思った。だって零だもん…。』
降「だけど、僕の行動が最終的にAの枷にしてしまった……本当にごめんッ」
『………私、辛かった。零が私を裏切ったって聞かされた時…私の生きる意味を切られたような気がして…悲しかっ
た………』
降「ッッ……」
『だから私は死ぬ覚悟でアジトに向かった。そしたらそこに零が居た……
あの時、零が私の死を止めなければ…私は死を受け入れた。
でも、零は私を止めてくれた。身を呈してまで。
それが凄く嬉しかった。
裏切られた何て感情が綺麗さっぱり無くなるくらいに
だから私は零を責めたりしないし嫌いになんてならない。
寧ろありがとうって言いたいくらいだよ』
零は、私がどんな目にあったとしても裏切らないってわかったから
それだけで十分だよ……
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まみこ(プロフ) - 完結おめでとう〜!!あれ、私みらいさんの作品にコメントすんの何作目だろw (2022年12月11日 0時) (レス) @page42 id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みらい@マサイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mirai1212
作成日時:2022年6月4日 16時