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ジンにソファー倒されジンが私に覆いかぶさるかのような体制になる。
『い…っつ………』
腕を動かそうとするもピクリとも動かない。
ジンの視線が私に突き刺さる。
ジ「お前も裏切り者の1人だな」
『……私にはなんのことだか』
ジ「とぼけるんじゃねぇ、死にてーのか。お前が裏切り者だってことはもうバレてんだよ」
『…………ふっ…ふははははッ!』
ジ「何がおかしい」
『っは〜ぁ……良くわかったね。私が裏切ったって……まぁそれも最初からだけど』
変な汗が背中をつたる感触が肌に掛かる。
今この状況で、ジンが本当に真実を知っているとしたら、否定しちゃだめだ。
ここで私が否定すれば、一緒に行動をしている零までもが疑いの目を掛けられる…。
それなら、犠牲になるのは私だけでいい。
『最初の仕事の時、報告した人物は紛れもない裏切り者だった 。でもそれは私にとって好都合でしかなかった!
今裏切り者がいる状況で私が裏切ったところでバレないって分かったから。』
ジ「………素直に証言したことは褒めてやる。だが、裏切ったと分かった以上お前を生かしておくわけにはいかねー。」
『私は生きようが死のうがデメリットはない。だから簡単に裏切ることが出来た。』
ジ「もう黙れ。」
懐に手を入れるのが分かりゴクッと息をのんだ。
そうだ、私が死んだところでデメリットは存在しない。
これで零が生きていられるのなら、私がこの身を差し出したってかまわない。
拳銃だと思っていたがジンが出したのは白と赤のカプセルだった。
ジ「これは俺たちが開発している毒薬だ。組織に入った時に飲ませた毒入りの液体と混ざり体内を溶かす。」
『……だからあの時の液体は体中を這いまわるような感触だったんだ…。』
ジ「短い時間だったが楽しかったぜ、パッソア」
『ん"ッ…!!?』
ジンに毒薬を口の中に放り込まれる。
少量の唾液に反応しジュワッと口の中で薬品が溶け出す。
舌が燃えるように熱い。
『ッ?!ぐあぁああぁっ…!!あ”ッ、あ”あぁぁあぁあぁぁあ…!!』
溶けた毒薬が食道を伝って胃に流れ出す。
通った場所が、徐々に熱く体内を溶かしていく。
余りの激痛に咽喉を掻きむしる。
全身が、ガンガンと痛みを訴えだす。
苦し…
痛い…!
『あ"ッ…!ウ"…ェ"…ガ………ッ…ァ"……あ"ァ"…ッ』
ジンが私から離れていく音と共にプツリと音が脳を刺激し意識が途絶えた。
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まみこ(プロフ) - 完結おめでとう〜!!あれ、私みらいさんの作品にコメントすんの何作目だろw (2022年12月11日 0時) (レス) @page42 id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みらい@マサイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mirai1212
作成日時:2022年6月4日 16時