【名探偵コナン】伊達の子供を降谷が育てるってよ

本当の父親 ページ36

零「………………………すまなかった！」


「ｯえ、なっ…ん……なんでお父さんが謝るの……謝らないと行けないのは私の方なのに……」



黙っていたお父さんが口を開いたと思ったらいきなり謝罪された。
唐突な展開に戸惑いながらも返事をする。



零「………Aに言われて考えたんだ。
心のどこかで、思ってたんだと思うんだ…。

きっと、Aの父親は誰でもない僕で、伊達さんの子供じゃなく最初から僕の子だって頭の端では思い込んで

もし、Aが僕の子じゃない…って知った時………Aの頭の中で本当の父親の存在が入った時、少しでも、僕が父親じゃないって考えが入る事を無意識に拒絶していたんだと思う……

きっと恐れていたんだ…。
Aの記憶に本当の父親が記憶される事を……。


だから、ずっと伊達さんの存在を隠してた。
Aが離れていくのが嫌だと感じたから……」



お父さんの本心にギュッと胸が締め付けられる。

私の一方的な思いで、お父さんが隠そうとしていた思いを私が苦しめていたんだ。
今のお父さんの気持ちを、さっきの私は全て否定していたんだ。
何も考えず思った事を全部口にして、お父さんが傷付く事を分かっていたのに…



「……………お父さんの気持ちも考えずに色々と言っちゃってごめんなさい…。

でも………私は伊達Aじゃなくて、安室Aだよ？
お父さんがどう思っても、周りがどう思ったとしても、私のお父さんは、お父さんだけだよ。

私の大好きなお父さんは世界でたった1人だけ。


これからもずっと……何が起きたって私のパパはパパだけ！！


だから……
私のパパで居て欲しい……ｯ、パパが嫌じゃなければ……私をお父さんの娘で居させて欲しい…です……！」



お父さんからの返事が怖くて…
もし、お父さんが否定をしたら、拒否されたら…
そう思うと怖くて怖くて視線を下に向けた。
身体の震えが止まらない。

心拍数がバクバクと上がる。
ここで返事を聞かなきゃもう戻れない…っ


ギュッ全身に力が入る。




零「……………そんな事、当たり前に決まってるだろ…ｯ」


「……ほ…んと……に…いいの…？私……パパの娘で…居ていいの…っ？」


零「あぁ…。Aは、僕のたった一人の娘だ」



お父さんの言葉に枯れきっていたと思っていた涙が再び溢れ出した。
そんな私をお父さんは優しく抱き締めてくれた…。

ありがとう→←お父さん

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