伊達班長 ページ24
あれから僕達は、公園でご飯を食べ持ってきたバトミントンや絵を描いたり本を読んだりして、一日中公園でゆっくりとした時間を過ごした。
最近仕事詰めだった僕にとってもよっぽどリラックス出来る時間だったらしく、身体と頭の疲労が抜けていくような気がした。
Aは疲れきったのか僕の腕の中で眠たそうに目を擦っている。
零「A…最後に寄りたい所があるんだ。寄ってもいいかな?」
「ん〜…いいよ……?」
零「ありがとう。」
徒歩5分程の距離を歩く。
目の前に寺が見え始め、いくつかのお墓が並んでいる光景が広がる。
線香の匂いが鼻腔をくすぐる。
何度経験してもやはり慣れない……。
「んっ…ぅぅ……」
零「どうした?」
「お鼻がツーンって…」
零「はははっ、やっぱりAにこの匂いはまだ早かったか〜。」
「やじゃないけど…なんかやだ……」
零「じきに慣れるさ…」
「なんできたの……?」
零「……パパの大切な人にAを合わせたくて、もう会える事はないけど……会ってくれるか?A。」
目を擦りながらギューっと強く目を閉じたあとパッと目を開き「うん!」と元気よく答えてくれた。
Aに笑顔を向け、班長の墓の前まで移動する。
既に誰かが墓参りに来ていたのか、花と線香が飾られていて一筋の鼠色をあげていた
年に一度訪れるだけのはずが、墓も綺麗に清掃されていた。
きっと、班長が所属していた高木渉だろう。
伊達班長と深い繋がりがある人間はその人ぐらいだと思っているから。
「パパこれなんて読むのー?」
零「……だてわたる。って読むんだよ。」
「だて…わたる……?」
零「そう……。僕の大切な人で、1番世話になった人の名前。」
伊達班長…。
あの日、班長から受け継いだAは今日で7歳になります。
保育園には通わせてあげられなかったけど、小学校に通うようになりました。
危険な目に合わせてしまった事は班長に謝っても謝り切れないな……。
腕の中で収まったこの子は、今ではとても大きくて…。
どんどん班長に似てきたかな。
正義感が強く、何事も嬉しそうで元気で……
身長も伸び始めて強い子になってるよ。
「パパ、どこか痛いの…?」
零「えっ?」
Aにそう言われ少し困惑した。
また、知らぬ間に情けない顔を見せていたみたいだ。
零「大丈夫だよ……。じゃあお家に帰ろうか。」
「うん…!」
またAと一緒に来るよ、班長。
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結衣ちゃん(プロフ) - うわぁ!めっちゃ続き見たい! (2022年5月31日 17時) (レス) @page33 id: 8f9c69d68a (このIDを非表示/違反報告)
あ - 今日初めて読んでみて「ん?」と思ったのは最初女の子が「小学校に通っていない」部分です。小学校は義務教育なので、「親の都合で行かせない」のは義務違反、いくら降谷さんでも催促状とかきますよ。ただの小説、二次創作でもそこはちょっと気になりました。 (2022年5月31日 17時) (レス) @page4 id: ee868f894e (このIDを非表示/違反報告)
みらい@マサイ(プロフ) - 紅祐さん» いつか飛び立つかしら…。よし、全訂正します。ありがとう😂 (2022年5月21日 6時) (レス) id: 2f0572d427 (このIDを非表示/違反報告)
紅祐(プロフ) - ポアロがアポロになってます!指摘してごめんなさい!ロケットを思い浮かべてしまいました笑笑 更新頑張ってください (2022年5月20日 23時) (レス) @page3 id: feead6792f (このIDを非表示/違反報告)
結衣ちゃん(プロフ) - 読ませていただきました!安室さんの子供じゃなくて伊達さんの子供って言うのがまたいいですね!なんか警察学校組が大好きだから嬉しい(松田刑事推しです!)更新楽しみにしています! (2022年5月20日 17時) (レス) @page19 id: 6158c47f1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みらい@マサイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mirai1212
作成日時:2022年5月11日 21時