初恋の絵本 season２ (ページ10)

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第１４話 ④ ページ10

『そーんなの、あたし達に爽歌ちゃん達みたいな感情がないからだよ…。』

正直、あたしだって羨ましい。
恋の好きって気持ちをわかっているんだもの。
あたしはまだちゃんとわかっていない。
ドキドキするのはなんで？とかそんな考えしかなくって…。
そんなことを考えていた時ちひろが心配そうにこちらを見ていたとは知らなかった。
しばらく泣くと少し落ち着いた爽歌ちゃんがあたしを見て驚く。

爽歌「あれ、Aちゃん、手首にアザができてます。」

ちひろ「え！？本当だ！！なんで言わなかったの！？」

『え、あ、大したことないかなって…』

ちひろの気迫に圧倒されていると爽歌ちゃんがシップを出して手当をしてくれた。

『すごいね、爽歌ちゃん。いつも救急セット持ち歩いてるの？』

爽歌「はい！私ボーッとしててよく転んだり、ぶつかったりするから、必需品です！」

ちひろ「星野さん、気をつけてね？」

『そーだよ！気をつけてね？』

あたしとちひろが心配してると爽歌ちゃんは笑っていた。

爽歌「Aちゃんとちひろちゃんって他人にはすごく親切なのにご自分のことはすボラなのですね。」

急にそんなことを言われビックリする。
そんなこと…そう思っていると爽歌ちゃんがまた話し始める。

爽歌「いけませんよ？どうか、ご自分のことも大切にしてあげてくださいね！」

爽歌ちゃんにそう言われると何故か心が暖かくなった。
なんていい子なんだろう。

『「うん、ありがとう…」』

３人で笑い合っているとあたしのケータイに着信が入りビックリする。
誰だろうと思ってケータイを見ると輝からだった。

『もしもーし？輝？』

電話に出ると爽歌ちゃんを見なかったかっていう電話だった。
爽歌ちゃんは一緒にいることを伝え、ケータイを渡す。

爽歌「…あの…っ」

ケータイを爽歌ちゃんに渡してから後ろに気配を感じ後ろを振り返るとさっきの男達がいた。
しまった…っ！！！
そう思った時には遅く男達に捕まってしまった。

『「「きゃあああ！？！？」」』

あたしのケータイから「星野！？A！？ちひろ！？」と言う声が聞こえたが男に口を抑えられ返事することができなかった。