初恋の絵本 season２ (ページ9)

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第１４話 ③ ページ9

「…おい。」

誰かに話しかけられた。
そんなの見なくても声でわかってしまった。

『忍…。』

忍「さっきは何があった。」

『え、』

さっきとはおみやげ屋さんでのことだろうか…。
そう思い先ほどのことを伝える。
すると忍は心配そうな顔をしながら

忍「ったく、無茶しやがって…ケガとかしてないだろうな？」

そう言ってきた。
乱暴に手を払い除けられた時に手首を痛めていたが心配させまいと小さな嘘をつく。
大きめなカーディガン来てきてよかったと思った。

忍「…今度からはそーゆー無茶なこと控えろよ？」

『え…？』

忍「オマエが、ケガしたり傷ついてる所は見たくねぇ。」

そう言いながら優しい笑顔で頭をポンポンとされる。
その瞬間顔が熱くなり、俯く。
すると遠くから「Aー！」と呼ぶちひろの声が聞こえた。
救世主！！ちひろ様ー！！！！
そう思いながら忍に『呼ばれたから行くねっ！！』と言ってちひろの所へ走った。

それからちひろと２人で話しながら外を歩いていると走ってきた女の子とぶつかった。

『おっ？…爽歌ちゃん？』

爽歌ちゃんを見ると泣いていて焦ったあたし達は近くに座れる場所を見つけ３人で座る。

ちひろ「はい、これで涙拭いて。」

そう言って爽歌ちゃんにハンカチを渡すちひろ。
爽歌ちゃんは「ありがとうございます。」と言ってハンカチで涙を拭いていた。
あたしがどうかしたのかを聞くと爽歌ちゃんはポツリポツリと話し出す。

『え、輝の態度がおかしい？』

爽歌「はい、嫌われたのかもしれません…。」

それは無いだろ。あんなに爽歌ちゃん大好きなのにと思っているとちひろが「ないない！」とあたしの代わりに言ってくれた。
すると爽歌ちゃんは、輝のこと知らないことが多くて、あたし達が羨ましくて正直妬けると泣き出してしまった。