初恋の絵本 season２ (ページ44)

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第２２話 ④ ページ44

練習が終わり帰る支度をする。
衣装も着替え終わりちひろと教室に戻ると忍と悠太が机に座りながらあたし達を待っていた。

ちひろ「お疲れ様ー。」

悠太「おう…。」

『大変そうだね？』

忍「まぁな…。」

そういう会話をしてあたしは机にカバンを取りに行く。

忍「A。」

『ん？』

忍に話しかけられて振り返ると少し顔を赤くしていた。
な、なんだろう？
そう思っていると悠太達はあたし達を見て「じゃ、先帰るわ。」と言って先に帰ってしまった。

忍「と、とりあえず、帰りながら話す。」

『う、ん？』

そう言って教室を出ていこうとする忍に急いでついていく。
よくわかんないけど、一緒に帰ろうってことだったのかなー？
そう思い少し笑ってしまった。
忍、可愛いとこ増えたなー。
なんて思いながら忍の隣に行く。

『んー！今日も練習疲れたねー。』

忍「本当な。女言葉とか、無理だ。」

『まぁ、しょーがないよ！とりあえず、本番まで練習頑張ろ？』

忍「そうだな。」

そんな話しをしながら歩いていたあたし達。
急に忍が歩くのを止めたのであたしも足を止める。

忍「A。」

『ん？』

忍「文化祭って…誰かと回る予定…あるか？」

『今の所は、約束とかはしてないかなー？』

忍「じゃ、じゃあ、オレと…回らないか？文化祭。」

忍に言われてビックリする。
あれ、みんなでってこと、かな？

『あ、みんなも誘ってってこと…？』

忍「いや、オレとAだけで、回らないか…？」

そう言われてさらにビックリする。
忍は少し顔をこちらに向けてあたしを見ている。
まぁ、確かにあのカップル達はみんなでってより２人っきりで回りたいだろうし…。
忍とならドキドキするけど楽しめるだろうし…。

『うん、いいよ！』

忍「ほ、本当か！？」

『え、うん！嫌なわけ、ないよ。』

忍「よっ…！」

何かを言いかけて後ろを向く忍。
何してるんだろと少し覗き込むと小さくガッツポーズをしていた。
そんなに、喜んでくれてるの？
そう思うと顔が熱くなった。
すると忍はこちらに振り向き

忍「ちなみに、オレとAのシフト同じだったぞ。」

『あ、そうなんだ！なら基本一緒に回れるねっ！』

忍「おうっ！あー、オレはAと文化祭回るの、楽しみにしてるぞ。」

『んふふ！あたしも楽しみにしてるっ！』

そういう話しをしながらあたし達は家に帰った。
さぁ、文化祭はもうすぐです。