初恋の絵本 season２ (ページ33)

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第２０話 ② ページ33

悠太「よかったな。」

『ん？』

悠太「オマエ、忍に告白されてから少しずつ、いい方向に進んでるんじゃね？」

そう言われてビックリする。
あたしも、少しずつ進めてる？
そうなのかな？
と思いながら悠太を見る。

『でも、まだはっきりしてない…。』

悠太「まぁ、それはしょーがねーよ。オマエ恋とかしたことないし。俺らを好きだっていう気持ちしかわからねぇからな。」

そうなのだ。あたしは好きな人ができたことがなかった。
そして興味もなかった。
悠太、輝、ちひろがいればあたしは嬉しかったのだ。

悠太「だから、焦らなくていいと思うぞ。いつか、自分の気持ちがなんなのかわかるから。俺らのことを好きな気持ちと恋の好きっていう気持ちは違うってこともな。」

『悠太…。』

悠太「ゆっくり、な？」

そう言ってあたしの頭を撫でてくれる悠太。
嬉しくなり笑顔を見せると悠太も笑ってくれた。
するとケータイが鳴る。
ケータイを見ると【明日、１０時に迎えに行くから準備して待ってろ。】とメールがきていた。

『明日、１０時にお迎えきてくれるんだって！』

悠太「なんか、忍っぽいな。てか、デートならオシャレしないとな。」

そう言ってニヤニヤしだす悠太。
くっそー！面白がってるな！！
でも、服何を着ていけばいいかわからないし…。

『ねぇ、悠太？』

悠太「ん？」

『今からファッションショーするから…その、どれがいいか一緒に考えて…ください…。』

なんか恥ずかしくなって俯いてしまう。
チラッと悠太を見ると驚いていたがすぐに笑顔になる。

悠太「ふはっ！いいぞー！」

『あ、ありがと！』

そう言ってあたしは部屋に戻りクローゼットを開ける。
あ、忍に返事してない。
そう思って【わかったよー！明日楽しみにしとくっ！】とメールしてあたしが持っている服とにらめっこをする。
なんとなくコーデを何着か決めてファッションショーを始める。
「なんか足りない。」「ラフすぎ。」などと言われながら色々服装を考える。
途中からは悠太のファッションショーも始まり結局夜まであたし達は服装を考えていた。