初恋の絵本 season２ (ページ27)

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第１８話 ⑤ ページ27

side A

勝てたことに嬉しくて爽歌ちゃんに抱きつく。
すると爽歌ちゃんがどこかへ行ってしまった。
爽歌ちゃんが変だったこともあり気になって追いかけようとした。
すると目の前に忍がつけるはずの眼帯が落ちていた。
不思議に思いながらもそれを拾い爽歌ちゃんを追いかける。

探しているとどこかの茂みに爽歌ちゃんと忍を見つけ木の後ろに隠れて話を聞く。

忍「世話になったなメガネ女。ちと派手に暴れすぎた。」

爽歌「いえ、見事な戦いぶりでした…。でも、私もAちゃんとちひろちゃんが無事で嬉しいです。少しでもお役に立ててよかった。」

忍「おい、メガネ…じゃなくてえーっと…」

爽歌「あ、星野です。」

忍「そーだ星野、なんつーか、あれだ。今さらだけど入学式の時、ブスって言って悪かったな。よく見るとオマエ、全然ブスじゃねーよ。」

そんな話をしていてあたしはビックリしていた。
あ、あの忍が謝るなんて！！
なんて思いながらさっきの爽歌ちゃんが変だったことが忍のせいだとわかり笑ってしまった。
本当優しいんだからと思いながら眼帯を渡す為に忍を探す。
案外近くにいてビックリしながらも眼帯を探している忍に話しかける。

『これ、探してる？』

忍「え、A！？」

『近くに落ちてたの。忍のでしょ？つけてあげる！』

そう言って後ろを向かせる。
初めは嫌なヤツかと思ってたけど
なんだかんだ、優しくて、一緒にいるとやっぱりドキドキして…
でも嫌じゃない。
そして、こんなあたしを好きだって言ってくれて…。
本当に忍を好きになれたら、幸せなのかな…。
なんて思いながら眼帯をつけていると忍に「おい！」と話しかけられる。
何事かと思い顔を覗き込むとお鼻に眼帯がついていた。
ちょっ！！コアラーっ！！
そう思って爆笑してしまい忍に「てめぇ！！」と怒られる。

『ご、ごめん。ツボった！』

そう笑っていると忍がこちらをジーッと見ていて笑いを頑張って止める。