第十六章 本当の「エンド」 ページ22
亮平はひたすら走った。妹を救うために。これ以上誰も失いたくなかったのだ。険しい山道をものともせず、ひたすら走り登った。目的地はもちろん「国立きのこ研究センター」である。
案の定、玄関には鍵がかかっていた。まさか、妹を捕えている張本人に「開けて下さい。」なんて頼むわけにもいかまい…、亮平は珍しく冷静だった。それは彼が不安でいっぱいだからであろう。確かに妹を救いたい気持ちが一番であった。しかし亮平は、あの小塩との対戦の時のように武器を持っていない。相手はきっと何かしら持っているであろう。素手で戦えるのか…？亮平はそのことばかりを考えていた。いや、でも、妹を助けるのが先決だ、どうやって戦うのかはその時考えればいい、亮平は自分を奮い立たせた。
この建物には、裏口のようなものがないようである。扉は玄関だけだ。しょうがない…、亮平はガラスを割って入ることにした。
「せーの！！」
ガシャンッ
ガラスが綺麗に崩れ去った。亮平は腕に多少の傷を負ったが、この程度の傷は対小塩戦に比べたら何てことはない。亮平は少しだけ歩きなれたこの建物内を探検し始めた…。すると、小さな小さな声にならない声が聞こえてきた。
「んんんんんんんー！」
「すみれかー！？」
「んん！んー！！」
亮平はその声を頼りにある部屋にたどり着いた。すみれは両腕を縛られて口にはガムテープが貼られてあった。
「だ、大丈夫か！？」
「ぷはっ。うん、何とか…。ああー、やっと手が自由になった。」
「あいつはどこに行った！？」
「さっきそこの部屋に…。案内するけど怖いから亮平さん前でいい？」
すみれの腕が小刻みに震えていた。
「もう大丈夫だから。」
すみれがコクンと頷く。亮平を前にして歩き始めた。
その瞬間は一瞬だった。
ドスッ
「…なっ！…」
亮平が背中を押さえながら倒れ込む。そこには血まみれのナイフを持って微笑むすみれの姿があった。
「私ね、ずっと兄の存在が憎かったの。私と似たような境遇なのに何で私だけ辛い目に遭って、あなたは安穏と暮らしているの？」
「お、お前…！」
「だから私が今まで受けた苦しみを全部あなたに与えてあげる。その代わり、私はあなたの分まで幸せに生きてあげる。」
ズシャッ
亮平が完全に沈黙した。
「でも許してくれるでしょ。私、あなたの妹なんだから…。ね、お兄ちゃん…。」
すみれが次元を切り裂いた。 ＜完＞
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アスカ様☆(プロフ) - キュアマリンさん» いずれにせよ優しいですねw (2015年3月23日 10時) (
レス) id: 67dcf16768 (このIDを非表示/違反報告)
キュアマリン - アスカ様☆さん» あ、今井さんと悪魔さんの分もありますよwww予算の関係で歓迎会に出る2人にしか買えませんでしたw (2015年3月22日 23時) (レス) id: 4fbf9f5b8b (このIDを非表示/違反報告)
アスカ様☆(プロフ) - キュアマリンさん» それはそれは、ありがとうございます。コンタクトさんですかwちゃんとあの人の分まで用意してあるんですねwやっさしーい! (2015年3月22日 22時) (レス) id: 67dcf16768 (このIDを非表示/違反報告)
キュアマリン - サボりませんからwwwあ、そうそうお土産っていう名のお菓子をコンタクトさんと糞宮に買ったのでリハの時に渡します！ (2015年3月22日 19時) (レス) id: 4fbf9f5b8b (このIDを非表示/違反報告)
アスカ様☆(プロフ) - まつりってぃさん» はいはい。サボるなよ! (2015年3月22日 14時) (レス) id: 67dcf16768 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アスカ様☆ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mirai03311/
作成日時：2015年2月23日 16時
