brave5 ページ36
真っ黒いモヤに包まれて、ふわふわと浮かんでいるような感じがする。
…次に目を開けたときは、体に重力が戻ってきた瞬間だった。
目の前は水。
『……水難…っ！！』
手を下に向け、水面を押すことで宙に浮く。
…この状態も長くは保っていられない。
押している対象が大きい分、負荷も大きいのだ。
『…！船！』
すぐそこに浮かんでいる船を見つけ、そこに自分の体を引き寄せた。
すた、無事に船の上に着地。
私は、何度も読み返した原作の流れを思い出し、
ここーー水難ゾーンの攻略法を頭に浮かべる。
まず、梅雨ちゃんがデクくん峰田くんを救出。
デクくんがデコピンで敵を真ん中に集め、峰田くんのもぎもぎで敵を固めてしまう。
その間に梅雨ちゃんがジャンプして逃げる…
という流れだったはずだ。
ここに私が入ったとしよう。
私の個性じゃあ、自分の体を浮かすのが精一杯。
それももうすぐできなくなる。キャパオーバーが近づいている。
…人の役になんてたてやしない。
さらに逃げるときも、梅雨ちゃんは2人抱えるので手一杯だろう。
(ただの、足でまといじゃないか)
それなら、私だけ怪我をするほうがいい。
みんなを、巻き込みたくない。
私というイレギュラーのせいで、迷惑をかけるなんて。
「わぁぁ！？水難ンンン！！！」
もう、デクくんが来てしまった。
…早く。
思いっきり船縁を蹴り、飛び上がる。
そのまま陸まで自分を引き付け、被害を被らないギリギリの場所に降りる。
迷惑もかけたくないけど、心配もかけたくない。
そう思うのは、やっぱりわがままかな。
水に浸かってデクくんたちがやって来るのを待つ。
陸の方に行けたらと思ったのだが、広場では相澤先生が敵と戦っているため避けた。
…邪魔になることはしたくないんだ。
私はどうすべきだったのか。
…これでよかったのか。
この選択が正しかったのか、それも分からなかった。
「…………おまえ」
近づく、大きな殺意。
目の前に、死柄木弔。
ーーーなんで。
「どっかでみたことあるなあ」
私を、知ってるの。
「…まぁいいや」
死柄木の右手が、私の顔に近づいてくる。
あまりの恐怖に、指先1本も動かない。
ひた、と私の顔に五指が触れた。
あぁ、ここで終わりかなぁ、なんて思いながらぎゅっと強く目を瞑った。
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しゅーくりーむ(プロフ) - 化け猫さん» 化け猫さんありがとうございます！嬉しすぎるお言葉…私にはもったいないです(；＿；)これからもどうぞこの小説を見守ってやってください…笑頑張ります！！ありがとうございます！！ (2017年12月23日 15時) (
レス) id: 947c5a0014 (このIDを非表示/違反報告)
化け猫(プロフ) - おもしろいです。切実に面白いです。これからもがんばってください！！ (2017年12月23日 14時) (レス) id: 8b31c3a625 (このIDを非表示/違反報告)
しゅーくりーむ(プロフ) - maya*さん» ほんとですか、ありがとうございます(；＿；)嬉しいです…！！頑張ります！！ (2017年12月8日 6時) (レス) id: 947c5a0014 (このIDを非表示/違反報告)
maya*(プロフ) - わぁ！いい話じゃないですか！これから見ていきます！更新頑張ってくださいね！ (2017年12月8日 1時) (レス) id: 6f9da94116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゅーくりーむ | 作成日時：2017年12月7日 18時
