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「爆豪はさ、何をそんなに怒ってるの」
私は他にも何か誤解を受けているんじゃないかと不安になってきたので、教室へ戻る時に聞いてみた。
「デクもてめェもムカつくんだよ」
緑谷のことが嫌いなのはわかるんだけど、私はそこまで嫌われるようなことをした覚えはない。不必要に嫌われているのなら撤回しておきたいと思ったのだ。陰謀論……とまでは言わないけれど、彼に何か誤解されていて、怪しまれでもしたら厄介極まりない。
「私、爆豪に何かしたっけ」
舌打ちしか返ってこず、何もわからない。
「爆豪はさぁ、かわいそうだね」
大人気ない上に多少のリスクもあるけれど、私は爆豪と話すために今までの世界で聞いた情報を使うことにした。後は彼が挑発に乗ってくれればいい。自尊心エベレストの爆豪だから、火をつけるのなんて赤子の手を捻るように易い。
「あ"？ んだとコラ」
「きっと繊細なんだよね、だから気にしちゃうんだ」
ここから先は私がただ彼の私に対する考えを聞き出すだけの尋問だ。
「わかったような口聞いてんじゃねえよ縫うぞ」
「はー……それは洒落にならないね」
本当に。私個性使えなくなっちゃう。想像して苦笑いした。
「それだよ、てめェのそれが気に食わねぇ！」
それ？ と思わず首を傾げた。
「ヘラヘラ気色悪ぃ顔しやがって、人のこと舐めてんのかよ！ 個性把握テストも体育祭もわざわざ順位まで同じにした挙句、体育祭は倒れて退場ってなんだよ？ 何でその後何もなかったみてぇな面してデクと帰ってんだよ！ 今日だっててめェは1位だったのに、何同着になってんだよ？ わけわかんねえよてめェ！」
目から鱗だった。彼の性格を考えれば想像出来たことなのに。そりゃあ爆豪みたいな人が、ずっと同じ人と同じ順位なのは気に食わないよな。彼は繊細で、私よりずっと1番に固執しているのに、得体の知れないヘラヘラした人間が目の前にいて、挙句勝てないのではいたたまれないか。
「……ごめん」
「その妙に落ち着いてますって顔も腹立つんだよ！」
じゃあどんな顔をしていいかわからない。それにしても、私は爆豪を侮ったことなんて無いし、寧ろ爆豪が凄いから同じ順位になるってことを伝えるにはどうしたらいい？
「えーと、全部逆なんだよね」
訝しげな表情を返される。怒鳴られるよりはマシだ。
「爆豪が凄いからなんだよ、全部」
「ハァ？」という声が聞こえた。その反応はごもっともなんだ。
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りっぴい(プロフ) - 作品全部読ませて頂きました！質問なのですが、この作品のように字や背景を変えるようにするにはどうすればいいのでしょうか。 (2018年4月7日 0時) (
レス) id: 72a6f55e69 (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 冷やしチョコさん» 個性が好評のようで嬉しく思います。文才は……大変恐縮です。更新頑張ります！ (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - ログインしたくない病さん» 評価だけでなくコメントまでしていただけて私はとても嬉しいです。ありがとうございます。 (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 牙夢さん» 今回は更新じゃなくて申し訳ありません。続編もお楽しみいただけるように努めたいと思います。 (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
冷やしチョコ - 文才があるってこういう事なんだな…としみじみ思います。個性のアイディアが面白いし、何より小説の内容が面白いです。更新楽しみに待ってます！ (2017年8月29日 0時) (レス) id: 691aea1734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：廿楽
| 作成日時：2017年8月13日 3時
