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あ、前のグループ終わった。そろそろ準備しなきゃ。
「こういう工業地帯って上をいく方が絶対早いよね」
「あ？ わかりきったこと言ってんじゃねえよ」
この喧嘩腰なら今回もいけるな。本当に爆豪とは相性が良いわ。にんまりと笑いながら続けた。
「いやね、宙を走れば楽勝だって話」
「訓練にならねぇだろうが舐めんな」
「コラコラ喧嘩しない！ 始めるぞ」
いい感じにオールマイトに止められた。オールマイトのコールでスタートをする。効果は精々10分程度か。スタート位置の建物の上を全力疾走し、そのまま宙に足を踏み出した。眼下には複雑に入り組んだパイプや通路。とてもじゃないが落ちたくはない。
「Aちゃん浮いてる！？」
「喩語ズルくねぇ？」
「個性ならセーフ！」
そんな会話が後ろから聴こえた。結構全力で走ってるから後ろ4人とは離れてるんだけど、爆発音がわりと近くから聴こえてくるあたり、爆豪がすぐそこにいる。
これでも差が開かないって相当化物だよ爆豪。妨害がありだったら苦しかったな。エンデヴァーさんのところで肉弾戦の訓練をやったとはいえ、彼と近接戦闘は分が悪い。
「てめェ相変わらずふざけた真似してくれんなぁおい！」
ウッソでしょ。追いつかれそう。
「このままいったら同時ゴールだね！ 体育祭とお揃いだ」
「ざっけんな！ 抜かすわ死ね！」
死ねいただきました。これ、もしかしたらまた同時ゴールじゃない？
ゴールまで後10m、9、8……。ジリジリと横に並んでくる気配は闘争心に満ち溢れていて、「あ、並んだな」と思った先に、オールマイトの声が聞こえた。
地面に降りて息を整える。思ったより距離があった。ペース配分間違えたかな、なんて反省をしていると、隣からのギラギラとした視線を感じた。
「あー、お疲れ？ 体育祭と同……」
「また舐めた真似してくれたな？」
何か誤解されている気がしてブンブンと首を横に振った。怖い顔怖い70度くらい目が釣り上がってる。
「冷静に考えりゃそもそも浮けるくせによぉ」
ん？ あ、そっか。爆豪は体育祭で浮いていたのを間近で見ているから、それが私の個性だと思い込んでるのか。で、珍しくそれを忘れていたと。
いやこれ危なかったな。思ってたのと違う方向で危なかった。彼が冷静さを欠いていたのは、恐らく緑谷の動きを見て苛立っていたからだ。ありがとう緑谷。君のお陰で首の皮1枚だ。
「シカトしてんじゃねぇよクソ！」
怒られた。
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りっぴい(プロフ) - 作品全部読ませて頂きました！質問なのですが、この作品のように字や背景を変えるようにするにはどうすればいいのでしょうか。 (2018年4月7日 0時) (
レス) id: 72a6f55e69 (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 冷やしチョコさん» 個性が好評のようで嬉しく思います。文才は……大変恐縮です。更新頑張ります！ (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - ログインしたくない病さん» 評価だけでなくコメントまでしていただけて私はとても嬉しいです。ありがとうございます。 (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 牙夢さん» 今回は更新じゃなくて申し訳ありません。続編もお楽しみいただけるように努めたいと思います。 (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
冷やしチョコ - 文才があるってこういう事なんだな…としみじみ思います。個性のアイディアが面白いし、何より小説の内容が面白いです。更新楽しみに待ってます！ (2017年8月29日 0時) (レス) id: 691aea1734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：廿楽
| 作成日時：2017年8月13日 3時
