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コンコンと部屋の扉が叩かれる。
また面構さん達かな。面構さんは保須警察署署長の方で、今回の事件少し色々あったのでそれの説明をしてくれた。何でも、あの3人はまだ免許を取っていないので個性を使ってステインを倒したことがまずかったらしく、あの3人の未来の為にも「エンデヴァーの手柄にしてほしい」とのことだ。
火傷痕から、エンデヴァーが倒したことにした方が自然だということらしい。警察が言わんとしていることもまあわかる。元々私は“エンデヴァーがステインを倒した世界”に慣れている。今回の判断に異存はない。本人達も納得したらしいしね。それなら私は何も言わないよ。
「どうぞー……ってあれ、轟君」
秘密が秘密なだけに、私もほぼ個室状態の病室に入れてもらっている。入院費とかどうなるのかな。……考えないようにしとこう。
「悪ぃ、何かやってたか」
私の反応が遅かったせいか、少し申し訳なさそうにそう聞かれた。「ううん、何も」と返事をすると、ベッドに腰を掛けていいか聞かれた。許可をすると彼はゆっくりと腰を掛けた。
こうして見ると、体育祭以降本当に穏やかになったな。顔つきが優しそうになった。緑谷や飯田君とも仲が良さそうだし、1歩学生らしい生活に進んだんじゃないかな。なんて年寄りじみたことを考える。
「ああ、そういえば何か用があるんだよね。何かな」
「お前、ヒーロー殺しと会ったのは初めてだよな」
んっ……そういうのが来るか。そこまで不自然なことはしてないはずなんだけどな。深い意味は無いんだよね、多分。じゃあ普通の感じで答えよう。
「うん初めてだよ。君らが倒した後しか見られてないけど、凄かったね」
「凄え執念だった。USJん時みてえな化物をあの状況で倒したんだ……正直ゾッとしたよ」
尻餅ついてたね、というのは蛇足なので飲み込もう。
「まあ、捕まって良かったよ。君らのお手柄には……出来ないんだよね」
「やっぱ喩語んとこにも来たんだな面構さん」
「大人の事情ってやつを垣間見たよ。大丈夫、私こう見えても口固いから」
というかエンデヴァーがやったことにしてくれた方が、ここから先の出来事に支障が出にくいだろうから助かるんだよね。余計なことはしないよ、誓って。
「口が軽そうには見えねえけど」
「お、真面目そう？ 勤勉そう？ 誠実そう？」
空気が重いのでちゃらけてみるが、返ってきたのは微妙な表情だけだった。
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りっぴい(プロフ) - 作品全部読ませて頂きました！質問なのですが、この作品のように字や背景を変えるようにするにはどうすればいいのでしょうか。 (2018年4月7日 0時) (
レス) id: 72a6f55e69 (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 冷やしチョコさん» 個性が好評のようで嬉しく思います。文才は……大変恐縮です。更新頑張ります！ (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - ログインしたくない病さん» 評価だけでなくコメントまでしていただけて私はとても嬉しいです。ありがとうございます。 (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 牙夢さん» 今回は更新じゃなくて申し訳ありません。続編もお楽しみいただけるように努めたいと思います。 (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
冷やしチョコ - 文才があるってこういう事なんだな…としみじみ思います。個性のアイディアが面白いし、何より小説の内容が面白いです。更新楽しみに待ってます！ (2017年8月29日 0時) (レス) id: 691aea1734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：廿楽
| 作成日時：2017年8月13日 3時
