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「ほら、あなたも！」
「え？ いや、私は怪我してないです」
「いいから念の為！」
立場上断るに断れず、私も3人と共に1〜2日入院することになった。過保護か。いや、エンデヴァーや他のプロの立場もあるだろう。職場体験が終わるわけじゃない、1日2日の辛抱だ。と自分に言い聞かせて保須総合病院へ入った。
一晩経って、3人の部屋にお邪魔しにいった。いや、一応怪我がどんなもんかちゃんと確認しておきたくて。……様子見とはいえ、私はこの3人とプロ1人見殺したようなものだからね。思ったより重傷なら私が気付かれないうちに治す。自己満足だけど、罪滅ぼしみたいなものだ。
「ゆ、喩語さんもどこか怪我したの？」
「いや、何か念の為〜みたいな。明日明後日にはエンデヴァーさんのとこ戻るよ」
「喩語くん……」
飯田君は相変わらず責任を感じているのか、いたたまれない表情をしている。そんな気にすることないのに。……って私は知ってるからそう言えるだけで、彼からしてみれば他人を少し巻き込んだだけでも申し訳なく感じるのだろう。
「本当に気にしなくていいよ。ほら、人が死んだわけでもないんだからいつまでもお通夜みたいな顔してないでよ」
ハハハ、ブラックジョークみたいだ。まあ実際死ななきゃいい話だからね。
「じゃあまあ男同士語りたいこともあると思うので、また」
ひらひらと手を振って病室を出た。轟君とは話してないけれど、彼は彼で何か考えていたしそっとしておくべきだろう。
＊
喩語には偶に違和感を感じる時がある。
飄々としてるかと思えば表情を変え、表情をコロコロ変えるわりには、やけに冷静なのだ。性格と言ってしまえば何とも言えないが、起こる出来事に対してどこか落ち着きすぎなのだ。
例えば……それなりに焦っていても、どこか別のことを考えているような。
昨日クソ親父が現着した時にあいつが発した「……よかった」という言葉。普通に考えればNo.2が到着した故の安堵からだろうが……。来た瞬間全てが終わったかのようにそう言った。
あいつがプロ達を連れてきたのは戦闘が終わった後。弱っていたとはいえ初めてヒーロー殺しに遭遇したにしては、初めから冷静だった。
違和感の正体はそこか。
「轟君？」
緑谷の声で我に返った。聞けば、喩語が自室へ戻ったらしい。俺達の様子を見に来ただけのようだ。
聞きてえことがあったんだけどな。またの機会になったか。
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りっぴい(プロフ) - 作品全部読ませて頂きました！質問なのですが、この作品のように字や背景を変えるようにするにはどうすればいいのでしょうか。 (2018年4月7日 0時) (
レス) id: 72a6f55e69 (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 冷やしチョコさん» 個性が好評のようで嬉しく思います。文才は……大変恐縮です。更新頑張ります！ (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - ログインしたくない病さん» 評価だけでなくコメントまでしていただけて私はとても嬉しいです。ありがとうございます。 (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 牙夢さん» 今回は更新じゃなくて申し訳ありません。続編もお楽しみいただけるように努めたいと思います。 (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
冷やしチョコ - 文才があるってこういう事なんだな…としみじみ思います。個性のアイディアが面白いし、何より小説の内容が面白いです。更新楽しみに待ってます！ (2017年8月29日 0時) (レス) id: 691aea1734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：廿楽
| 作成日時：2017年8月13日 3時
