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「そういえば轟君はどこの事務所に？」
どこまで一緒なんだろう、と思って軽い気持ちで聞いてみる。
「……同じ」
同じ……おや、もしかして。
「エンデヴァーさんのところってことだよね」
念を押して確認すれば浅く頷いた。
これまた意外。やっぱりどこか変わったよねぇ……？ 炎使えるようになったことと絶対に関係があるよね？ それが聞ける仲じゃないから黙っておくけどさ。
＊
喩語が後ろにいたのは知っていた。途中まではつけられているとわかったが、途端に何か考え出すような表情になり、目の前を通り過ぎていったのでつい声を掛けた。
USJの時みてえだと思った。後ろから話しかけられるのが特別苦手なんだろうか。……次からは気を付けるか。
どうやら乗るもんが同じらしく、少し離れて隣へ座った。
どちらかといえば普段喩語は饒舌ではない。その為、暫く無言だった。何をやるでもなく、姿勢良く座って流れる景色を見ているようだ。戦闘中はよく話すイメージだったので、少し驚いた。爆豪のように戦闘が好きなのか、それともそれが個性に関係するのか。それを聞ける程の仲ではないので、その考えは保留した。
そういえば行き方が同じの喩語は、どの事務所に行くのだろう。暇そうだったので質問をしてみた。
こちらから話しかけたことに驚いたのか、硬い反応をしていたが、すぐに元に戻った。結構表情が豊かなのだろうか。
クソ親父から指名が来ていたらしい彼女は、真顔で親指を立てて報告してきた。そこは笑うんじゃないのか。
あいつが喩語を指名する理由……まあ、彼女の個性だろう。活躍のわりには指名が多かったし、初見ならば確かに興味深い個性だ。そう考えるとそこまで不思議ではない。
そのことを思わず口に出すと、喩語は少し困ったような顔をして笑って礼を言ってきた。
その後視線を感じたので横を見ると、先程と同じ何か考えているような表情で見られていた為、何かあったのかと思って聞けば、数秒のラグの後に「なにも」と返ってきた。
何もないように姿勢を正して座り直した様子を見るに、本当にただボーッとしていただけなんだろう。いったい何を考えていたのだろうか。
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りっぴい(プロフ) - 作品全部読ませて頂きました！質問なのですが、この作品のように字や背景を変えるようにするにはどうすればいいのでしょうか。 (2018年4月7日 0時) (
レス) id: 72a6f55e69 (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 冷やしチョコさん» 個性が好評のようで嬉しく思います。文才は……大変恐縮です。更新頑張ります！ (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - ログインしたくない病さん» 評価だけでなくコメントまでしていただけて私はとても嬉しいです。ありがとうございます。 (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 牙夢さん» 今回は更新じゃなくて申し訳ありません。続編もお楽しみいただけるように努めたいと思います。 (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
冷やしチョコ - 文才があるってこういう事なんだな…としみじみ思います。個性のアイディアが面白いし、何より小説の内容が面白いです。更新楽しみに待ってます！ (2017年8月29日 0時) (レス) id: 691aea1734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：廿楽
| 作成日時：2017年8月13日 3時
