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「ゲートを移動……か」
相澤先生に苦笑された。やっぱり駄目だったかな。いくら言われていないとはいえ、半分ズルみたいなものだもんね。
「私の個性に1番詳しいので、少し大胆にいかなきゃ駄目だと思って」
「にしても大胆すぎるだろ。まぁ、いい。戻るぞ」
不自然に動いたゲートを残し、私はバスへ戻った。赤点は嫌だなぁ、なんて心では嘆きながら。
＊
「お疲れAちゃん！ 途中から見とったけど凄かったね……！！」
「ますます君の個性が想像出来なくなったよ」
「はは……あれは、相澤先生が珍しく焦ったんだと思う」
皆が凄いというのは、ゲート移動の話だろう。本当に一か八かだった。人間そうそうあり得ない出来事を受け入れることなんて出来ない。だから、ゲートギリギリまで走って相澤先生に捕まり、もう捕まえたと思わせた瞬間に“あり得ない出来事”を語ったのだ。
作戦通りと言えば聞こえはいいが、ただ運が良かっただけ。百から貰った閃光弾は助かったけど思ったより効かなかったし、ゲート移動以外は見てても地味だったと思う。
「そういえば緑谷と爆豪は？」
「彼らはオールマイトとだったからな……クリアはしたが怪我が……」
飯田君もお茶子も心配そうな顔をした。そうか、あの2人でオールマイトか。
「……クリア出来ただけ凄くない？」
私よりキツそうなものを、よくクリアしたな。見られなかったのが残念だ。緑谷はともかく爆豪がどう立ち回ったのか気になる。あの人に協力なんてことが出来るのだろうか。
「お疲れ様です」
「あ、百！ 本当にありがとう助かった」
今度何かお礼する、と言うと照れながら否定された。絶対に何か渡そうと思った。閃光弾が無ければ口を塞がれて終わりだった可能性が高いため、感謝をしてもしきれない。
「喩語、あれどうやったんだ」
隣りにいた轟君にぽつりと質問される。「個性」と返すと「それはわかってる」と言われた。
「緑谷に聞いてもピンと来ねえ」
「そのうち教えてあげる」
「そのうちっていつだ」
轟君面倒臭いタイプだな意外と！？ 丸くなったと思ったら急に話すようになったね。良いことだと思うけれども。
「あー、8月くらい？ うん、そのくらいに話すわ」
とりあえず神野が終わるまで話せないし。今は林間合宿のことを考えなきゃ。
林間合宿……神野のはじまりとも言える。爆豪勝己が攫われるイベント。つまり今度は爆豪を見てなきゃ駄目なのか。溜め息出るわ。
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りっぴい(プロフ) - 作品全部読ませて頂きました！質問なのですが、この作品のように字や背景を変えるようにするにはどうすればいいのでしょうか。 (2018年4月7日 0時) (
レス) id: 72a6f55e69 (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 冷やしチョコさん» 個性が好評のようで嬉しく思います。文才は……大変恐縮です。更新頑張ります！ (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - ログインしたくない病さん» 評価だけでなくコメントまでしていただけて私はとても嬉しいです。ありがとうございます。 (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 牙夢さん» 今回は更新じゃなくて申し訳ありません。続編もお楽しみいただけるように努めたいと思います。 (2017年8月29日 9時) (レス) id: b2aca56a6e (このIDを非表示/違反報告)
冷やしチョコ - 文才があるってこういう事なんだな…としみじみ思います。個性のアイディアが面白いし、何より小説の内容が面白いです。更新楽しみに待ってます！ (2017年8月29日 0時) (レス) id: 691aea1734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：廿楽
| 作成日時：2017年8月13日 3時
