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「お前あいつと中学同じだろ」
「そうだね」
「じゃあお前の方が知ってるだろ」
「と言っても私は彼とそう関わっていないから」
本当、中学の時にもう少し話しておくべきだったと後悔している。
「知ってどうするんだよ」
「……クラスメイトとの交流を深める参考にでもしようと思ってね。大事なことだよ？ とっても」
怪しまれるのも無理はないが、なりふり構っていられる余裕も無い。
緑谷がイレギュラーなら、私は彼から目を離しておくわけにはいかない。
「……何で俺」
「君が彼と戦っていたから。君のポリシーっていうの？ 彼と戦って、変わったから。何かあるのかなって」
「聞こえてたのか、全部」
「え？」
「いや、何でもねえ。緑谷は……無茶苦茶だ」
無茶苦茶……。まあ、試合観てても何となくわかったけれど。
「でも、全部壊してった。俺が抱えてたものも、誓約も、全部……」
“抱えてたもの”っていうのはわからないけれど、火傷に関係していることだろうか。“誓約”はきっと、戦闘に炎を用いないことだ。
彼らの会話が全部聞けていないのが惜しい。
「あいつはずっとああなのか？」
中学の頃について聞かれているのだろう。確かに彼は、爆豪に散々蔑まれていたのにやり返しもしなかった。弱虫かと思えばそうでもなく、個性を手に入れて雄英に入った。
「そうね……型破りな子かもしれない」
“型破り”……その1言で済むのならこんなに悩まないのだが。
爆豪は確か幼馴染だ。彼にも聞くべきか。しかし彼は鋭いから、あまりサシで話したくはない。
「お前、人のこと見てるようで意外と見てないんだな」
突然の批判に苦笑いで返すことしか出来ない。
仕方がないでしょう。私は私で、他人を観察する余裕なんて中々出来なかったのだから。
「まあいいよ、ありがとう。参考にさせてもらうね」
収穫があったかと問われれば微妙なところだけどとにかく、緑谷が轟君の何かを変えたのは間違いないことがわかった。
「お前、フラフラじゃねえか」
壁づたいに行けば歩けないこともない。それを伝えると何とも言えない表情をされた。
「次のエリート対決、楽しみにしてるよ」
そんな空気を遮るように混濁した意識を払うようにちゃらけた言葉を述べる。
私、尋問下手くそかもしれないな。
少し落ち込みながら出張保健所へ歩いた。
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nasamakuo48(プロフ) - はじめまして。とても面白い作品で一気に読んでしまいました。こんな感じで感想等を投稿するのが始めてなので、ど書けば良いのかわからず申し訳ありません。これからも、無理のないペースで新しい作品やストーリーの続きを拝見させていただくのを楽しみにしています。 (2017年9月27日 18時) (
レス) id: 6cec3e37ea (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 紫原 舞雪 @ペアネ中 兎化さん» コメントありがとうございます。フォントは、春夏秋冬PBBをTAKAYA様よりお借りしております。 (2017年8月11日 18時) (レス) id: aa9f0c2ea2 (このIDを非表示/違反報告)
紫原 舞雪 @ペアネ中 兎化(プロフ) - とても面白くて素敵な作品ですね！これからも投稿頑張って下さい！ 質問なんですが、この作品の文字のフォントは何を使っているんですか？教えて頂けると幸いです。 (2017年8月11日 13時) (レス) id: 4dbed81eb1 (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 瑞稀さん» 個性の描写が表現できているようで嬉しいです。ありがとうございます！ (2017年8月6日 18時) (レス) id: 8c5fbde7f2 (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - かさかさスライムさん» ありがとうございます……恐れ多いです……！頑張りますね。 (2017年8月6日 18時) (レス) id: 8c5fbde7f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：廿楽
| 作成日時：2017年7月31日 1時
