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episode13 ページ16

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「ねね!Aちゃん!」


そう、後ろの方からお呼びがかかる。この元気な声は確実に岩田さん。いつも両手に花状態なんだから、そこらへんに生えてる雑草レベルの私になんて構わなくたっていいのに...と、いつも思う。



『何ですか?岩田さん。忙しいので短め簡潔でよろしくお願いします。』

実際のところそうでもないのだが、何となく枕詞を並べてみる。



「今日ランチ行かない?この近くで美味しいパスタ屋さん見つけちゃったんだよね〜」
満面の笑みを貼り付けて全力で誘ってくる。


『ごめんなさい、私同僚とお弁当食べる先約があって。」


経理の入り口に日々行列を作るお姉様方には、喉から手が出るほど素敵なお誘いなのだろう。生憎私はその手のお誘いには興味がないので。
スタスタと廊下を歩き総務部へ戻ってきたのだった。
どこか最初の勢いを失い、悲しそうな顔をうかべる岩田さんは見なかったことにした。


私は非情だろうか?...いや、私自身が自分の身を守ることを最優先に考えた結果なのだ。仕方がないのである。

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作者名:さえ | 作成日時:2019年5月26日 10時

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