君の笑った顔が見たいから。【時透無一郎】

第二話 ページ3

数日後。

蝶屋敷に来ていた彼に話しかけてみた。

「あの……。」
「君、誰？」
「時透くん、宜しくお願いします！天空Aです！」
にこりと笑ってみる。
この間はこっちも見ていなかったし、第一印象に残るかも！！

「へえ、階級は？」
「あ、この間の柱合会議で柱になりました！」
「あっそう……。」

えっ、会話終了。
笑わないし、あまり…興味がないみたい…。

すっかり元気を失っていると、後ろから胡蝶さんの声が聞こえた。

「彼は、あまり記憶が長持ちしないそうなんです…。」
「そ、そうなんですか…。」
「私たちでもたまに、え？みたいな顔をされる事があります。あまり気落ちしない方がいいですよ」
「そうですか……彼って笑うんですかね…。」
「さぁ…、私は見たことがありません。」
「冨岡さんも無表情ですよね、」
「ああ、あの人は自分から進んで後ろを向いていますから。」
「後ろ？」
「あ、冨岡さんの笑った顔なら見たことありますよ。」
「え。」
「凄く…なんとも言えない顔でした。」

はは…、冨岡さん、ドンマイです。

そうかぁ…、それなら時透くんの方が気になる。

よし、積極的に絡んでみよう！

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