お 前 ら の た め ページ10
【 sho 】
バラエティの撮影が終われば、すぐに違うスタジオに行って雑誌撮影。
報道番組の資料も目を通さなくちゃいけないし、愛想も振りまかなくてはいけない。
常に家に帰ったらヘトヘトで、飯食って風呂入って寝たいのに、最近はそれすらままならない。
湯船には昨日の湯が溜まったままで、夕飯の用意すらされていない。
洗面所には洗濯物の山が出来ていて、見ているだけでどっと疲れる。
Aも家事やふーちゃんの世話で大変なことは分かっている。
でも、一日中家にいるくせに……と思ってしまうのは、男の悪いところなのだろうか。
「なあ、これアイロン掛けといてって言ったよな？」
明日ある学生時代の友人の結婚式で着ようと思っていたワイシャツが、くしゃくしゃのまま椅子の背もたれに掛かっていた。
仕事に行く前にアイロンしておいてと頼んだら、分かったと言っていたはずなのに。
A「ごめん。今日ふーちゃんの検診でそれどころじゃなかった。」
ふーちゃんの検診は朝からのはずだ。
だったら昼間から今の今まで何してた？
「A、最近何も出来てねえよな。掃除も洗濯も料理も。
働いてもいないくせに一日中、家で何してんの？」
言ってはいけないことだと分かっているのに、言葉が次から次へと出てくる。
「俺さ、お前らのために働いてんの。家帰ったら、美味い飯食って風呂入って寝たいわけ。
なのに、今のこの家じゃ何にも休まんねえよ。」
Aの顔がどんどんと曇っていく。
彼女が何か言おうとした瞬間、寝室からふーちゃんの泣き声が聞こえた。
「ふーちゃんの夜泣きだって落ち着いてたのに、最近毎日じゃん？
Aさ、昼間ちゃんと世話してんの？」
いつもなら、理性が自分の言動にストップが掛かるはずなのに、今日だけはどうしても止められなかった。
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あやか(プロフ) - 初めまして。以前ずっと読ませて頂いて、また読みたいなぁと思い読み返し終わりました。何回読んでも大好きな作品です。新作、続編楽しみにしていますね。お忙しいかとさっしますが、私達貴女のファンのことを忘れないでくださいな。 (2016年10月10日 17時) (
レス) id: f404d724c5 (このIDを非表示/違反報告)
きら - 続編とかないですか？ (2016年8月7日 19時) (レス) id: 3d2369e1fa (このIDを非表示/違反報告)
saori(プロフ) - 櫻子さん» 櫻子さん、コメントありがとうございます！櫻子さんは素晴らしい女性になられるのだと、コメントを拝見して思いました。私も医療人の端くれとして、日々勉強の毎日です（笑）お互いに、頑張りましょう！！こちらこそ、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 (2016年6月8日 21時) (レス) id: e576a4c883 (このIDを非表示/違反報告)
櫻子(プロフ) - saoriさん» 笑顔にできて、最後には、お礼じゃなくていいんです。そっと笑いかけてくれれば、いいんです。人の温かさ、接することの楽しさを教えてもらいました。ありがとうございます！ (2016年5月3日 3時) (レス) id: c26e06bd0d (このIDを非表示/違反報告)
櫻子(プロフ) - saoriさん» 完結、おめでとうございます！このシリーズを読んでいて、私は夢を持つことができました。「沢山の命を救える人になりたい。」これは、どんな形でもいいんです。ただ、人の心に寄り添って、人を愛し (2016年5月3日 3時) (レス) id: c26e06bd0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：saori
| 作成日時：2016年3月12日 21時
