恋愛ベクトル【Mizuki I】

ページ１２ * Mizuki ページ12

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じっとAを見つめていると、視線をばっと逸らされる。


それがちょっと気に食わなくて、……というか、男と手繋いで帰ってたのが何より気に食わない。




「A、宿題の丸つけしよっか」


『丸つけ？』


「うん、どうせやりっぱなしでしょ？」


『な、なんでバレてるの！』




めんどくさがり屋のAだもん、丸つけなんて後回しにすることくらい容易に想像できる。


それで、いっぱいケアレスミスしてるはず。




「ね、A、一問間違う事に、」


『い、一ページ追加ですか』


「ううん、違うよ？」


___「一個、俺の言うこと聞いて？」




罰ゲーム、あった方が注意して問題解けるでしょ？と口角を上げた。


さっそく、今日は何個言うこと聞いてもらえるんだろうね？




『瑞稀先生、の言うこと？』


「うん、なんでも聞いてね」




なんでも、と意味深に笑うと、頬を赤く染めるA。




「そんな顔赤くして、何変なこと考えてんの？」


『へ、変なことなんて考えてないよ？！』




Aの手元からノートを取って、丸をつけ始める。


ちょっと難しめの問題だしたんだけど、意外と間違ってない？




『瑞稀先生、どう？』


「……残念ながら、今のところは全問正解だよ」




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