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四「産まれたのか」
屋上のベンチに腰かけ一人空を見上げていると四宮先生がやって来た。
隣に座ったかと思えばポケットから何かを取り出し、無言で手を出すように促される。
ゆっくり手を出せば、手のひらにコロンと転がるチョコレート。
四宮先生を見れば空を見上げたまま目を合わせてくれない。
チョコレートをギュッと握りしめ、再び空を見上げる。
『とっても可愛い赤ちゃんでした』
四「うん…原因は?」
『胎盤も臍帯も診ましたけど、分かりませんでした』
四「解剖はするのか?」
『西山さん夫婦は望んでません』
四「だろうな」
『悔しいです…』
四「…死産の4分の1は原因不明なんだ。俺達だって分からない事もある。出来ない時だってある。俺なら絶対に頭を下げない。次の出産の為に綿密に計画を練るだけだ」
『ふふ…四宮先生らしいですね』
四「ふんっ…明日も晴れそうだな」
『はい』
その日の夜、小松さんと西山さんの病室を訪ねた。
小「今夜は母子同室だから、いつでも抱っこしてあげてね」
西山さんは胸を押さえた。
乳腺が張ってきたんだろう。
瑞「何で、体はお母さんなのに」
小「そうだね」
小松さんは西山さんの体を擦りながら寄り添った。
小「西山さん聞いて。お腹の中で亡くなってしまったあかりちゃんは西山さんの戸籍に残してあげられないんだ。だからね、抱っこでもいいし、沐浴をしてあげてもいい」
小松さんはゆっくり話をし始めた。
あかりちゃんと一緒に過ごせる間に出来る事を。
『もしあったら私達は何でも協力します。無理には言いませんが…』
すると今まで黙って聞いていた旦那さんが口を開いた。
旦「あの、二人でお風呂に入れてやってもいいですか?」
『もちろんです』
小松さんの顔を見ると、笑顔で大きく頷いてくれた。
次の日の朝、あかりちゃんの沐浴をした。
とても気持ち良さそうだった。
夜ー
マ「あれ、まなみちゃん?どうしたの?」
『ピアノいいですか?』
マ「うん、いいよ」
〜♪
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憂留 - いえいえ!そうですよね…(涙) ; _ ; はい!頑張って下さい!!!^^ (2017年12月4日 19時) (レス) id: 8e3fd0612f (このIDを非表示/違反報告)
mama(プロフ) - 憂留さん» ありがとうございます!どんどんいなくなっちゃう泣 8話、白川先生頑張りますね! (2017年12月4日 18時) (レス) id: 6e2a5ac941 (このIDを非表示/違反報告)
憂留 - お疲れ様ですゝ 白川先生が〜 ; ; でも決意がかっこよかった…♪ 次も頑張ってくださ〜い♪♪^^ (2017年12月4日 17時) (レス) id: 8e3fd0612f (このIDを非表示/違反報告)
憂留 - うんうん!そーですね! 明日見ます!うわーーーい↑!!!!!楽しみにしてます!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (2017年12月1日 22時) (レス) id: 8e3fd0612f (このIDを非表示/違反報告)
mama(プロフ) - 憂留さん» 今日は白川先生の回ですね!8話はがっつり絡めるかもしれないです!笑 (2017年12月1日 20時) (レス) id: 6e2a5ac941 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mama | 作成日時:2017年11月9日 16時