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<四宮side>
小「ももちゃんまたね」
『またいつでも遊びに来てくださいね』
小松さんと藤原が患者さんを見送っていた。
にこにこしながら手を振る藤原。
小「おっ、しのりん!」
いつの間にか振り返っていた小松さんが大きな声で呼んだ。
そのせいで周りの人達が振り向く。
「ちっ」
文句を言ってやろうと近付けば藤原を盾にする小松さん。
小「じゃっ!私次講習あるからっ!じゃねっ!」
『え、え!ちょっと!小松さん?!』
焦る藤原を置いて小松さんは逃げた。
立ち尽くす藤原を見れば見事な苦笑い。
四「人前であの呼び方はやめろって言っとけ」
『自分で言ってくださっ、むぅ、ひゃい、しゅいましぇん』
話の途中ポケットから左手を出して両方のほっぺを掴んでやった。
もちろんこいつが悪いわけじゃないのは分かってるが。
必然的につき出す唇に不覚にも可愛いと感じてしまい、舌打ちをする。
しょんぼりしながらも自分の頬を撫でる藤原。
『でも小松さんいつも元気ですよね。さっきのお母さん、子供が生まれて幸せだけどこの先子育て不安だって言ってました。だから元気よく送り出そう!って』
隣を歩きながらゆっくりと話始めた。
確かに小松さんはいつも元気だ。
小松さんの笑顔は魔法みたいだ、そう言い出した藤原にお前の笑顔の方が…なんて言えるはずがない。
『皆不安なんですよね、入院してるお母さんも退院するお母さんも。小松さん見てて思いました。私ちゃんとお母さん達に寄り添えてますかね?』
さっきまで笑顔とは裏腹に力なくへにゃりと笑う。
無理して笑ってるのがバレバレだ。
「それよりもまず、自分の事を考えろ」
『え?』
「産科医としてじゃなく」
一人の人間として。
ちゃんと自分の命と向き合え。
お前が笑わなきゃ、面白くないだろ。
『ふふっ、四宮先生怖い顔。四宮先生笑ったら絶対格好いいのに』
「ばかかお前は…」
分かってるのか分かってないのか、話を逸らして前を歩く藤原の背中をただ見つめて嘆いた。
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憂留 - いえいえ!そうですよね…(涙) ; _ ; はい!頑張って下さい!!!^^ (2017年12月4日 19時) (レス) id: 8e3fd0612f (このIDを非表示/違反報告)
mama(プロフ) - 憂留さん» ありがとうございます!どんどんいなくなっちゃう泣 8話、白川先生頑張りますね! (2017年12月4日 18時) (レス) id: 6e2a5ac941 (このIDを非表示/違反報告)
憂留 - お疲れ様ですゝ 白川先生が〜 ; ; でも決意がかっこよかった…♪ 次も頑張ってくださ〜い♪♪^^ (2017年12月4日 17時) (レス) id: 8e3fd0612f (このIDを非表示/違反報告)
憂留 - うんうん!そーですね! 明日見ます!うわーーーい↑!!!!!楽しみにしてます!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (2017年12月1日 22時) (レス) id: 8e3fd0612f (このIDを非表示/違反報告)
mama(プロフ) - 憂留さん» 今日は白川先生の回ですね!8話はがっつり絡めるかもしれないです!笑 (2017年12月1日 20時) (レス) id: 6e2a5ac941 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mama | 作成日時:2017年11月9日 16時