第16話 ページ16
貴「あ〜…」
疲れていたせいか、酔いが回るのが早い。
お「Aさん顔真っ赤ですよ？」
弟「早くない！？」
貴「2時間飲んでますけど」
兄「水飲みます？」
貴「少し貰います」
私は兄者さんから水をもらった。
火照った体に冷たい水がよく染みる。
お「Aさんってすぐ酔う人でしたっけ？」
貴「いや、お酒はまぁまぁ強い方なんですけど、今日はなんか酔いやすいみたいです」
弟「体調悪くなったら言ってくださいね？
我慢とかダメですよ？」
貴「はーい」
私はおしぼりを額に当てながら笑った。
いかん、思いのほか酔いが酷い。
ふわふわする…
お「Aさん？大丈夫ですか？」
隣に座るおついちさんが心配そうに顔を覗いてきた。
貴「あー、なんか、ふわふわすると言うか…」
兄「横なります？」
貴「すみません、失礼します…」
お「なら座布団を枕替わりに…」
私はストンとおついちさんの膝に頭を乗せた。
お「へ？！」
貴「あー…丁度いい…」
おついちさんの服を掴み、目を閉じた。
首元に冷たいおしぼりが当てられる。
気持ち…い…
私はそのまま寝てしまった。
【おついち】
やばい
本気でやばい
お「や、ちょ、ま、ね、な、」
兄「日本語でおk」
お「こ、これはまずいって！」
自分の足でスヤスヤ眠るAさんを指さした。
兄「いいじゃん」
お「良くないよ！彼氏さんに殺される！」
弟「でも今は仕方ないし、起こすわけにもいかなくない？」
お「ぐ…」
まぁそうだけどさ…
お「大丈夫かなぁ…」
兄「何が？」
お「いろいろと…」
兄「いろいろと…」
お「目線を下にしない。
…弟者も」
俺はドキドキしながら自分の上着をAさんにかけた。
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作者名：華ヶ崎レオ
| 作成日時：2018年3月13日 0時
