第2話 ページ3
アジトに着き、報告書を書いた。
そういえば、胸ポケットに入れられたあの紙なんだろう。
ポケットから紙を出し、広げた。
「丘の上の桜の木の下」
それだけ書かれていた。
お「丘の上…桜…」
それならひとつしかない。
弟「おついちさんどこ行くの?」
お「いや、ちょっとね」
俺はアジトを出た。
細い路地を抜けると、多くの人が歩いていた。
夜になっても賑わうこの街。
まるで毎日がフェスティバルだ。
街を外れ、途中貨物馬車に乗せてもらった。
彼女はなぜ俺だけ呼んだのだろうか。
暗殺、か?
そんなことを思いながら馬車に揺られた。
ありがとう。と礼を言い、馬車を降りた。
丘を登り、見えてきた桜の木を見上げた。
お「今夜も綺麗だね」
この桜は、1年中咲いていていつ生まれたのかも分からない。
花が散らないことから、ここで告白やプロポーズ、結婚式を挙げるものもいる。
?「来てくれたのね」
後から声がして、振り返った。
そこには先程の女が。
お「来たよ。
何?なんで俺だけここに?
いいことでもしてくれるの?」
?「いいこと、なのかしらね」
俺は少し身構えた。
女は顔を隠していた黒い布を下げた。
お「…君は…」
その顔に、俺は見覚えがあった。
?「久しぶり、いちくん」
お「A…なの?」
それは息を呑むほど美女へと変わった幼馴染だった。
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作者名:華ヶ崎レオ | 作成日時:2018年2月28日 18時