【2BRO.】どうしてお前が敵なのか (ページ19)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:40,886 hit

第18話ページ19

私は先程、こだまから聞かされたことをボスから聞いた。

やっぱり、本当だったのね…

「…A」

貴「はい」

「お前は、敵に恋をしているな？」

目を見開き、ゆっくり顔を上げた。

貴「な、ぜ…」

「私が知らないとでも思ったか？」

貴「で、でも、私は、」

「相手は、おついちという男だな」

私の目から涙が落ちた。

貴「どうして…いつから…」

「ずっと前からだ。
私はすぐに気がついたよ。
あんまり楽しげに彼のことを話していたからね」

ボスは優しく微笑んだ。

「でも、これからは戦争になる。
色恋なんて関係ないんだ」

貴「わかってます…」

「ずっと想っていた相手を、お前は撃てるか？」

私は拳を握った。

「お前は、愛するものの死体を見れるか？」

私は下唇を噛んだ。

「お前は、」

貴「愛するものなら、とうの昔に死んでます」

目を閉じ、ゆっくり開いた。

貴「愛するものの死体なら、もう見ています」

「………」

ボスの目が少し細くなった。

貴「殺ります。
殺ってみせます」

「…それでこそ我が娘だ」

ボスは私の部屋を出ていった。

窓際に立ち、そっと窓に触れた。

貴「さよなら、おついちくん」

愛してたわ。