第16話 ページ17
貴「どうしたのよ、そんなに慌てて」
こだまは膝に手を付き、ゼーハーと肩で息をした。
「さっ…ハァー…じ、あ、ひぉー…」
貴「落ち着いて」
「さ、さっき!情報屋に会ったんだ!」
貴「あら、ここに来るのは珍しいわね」
「きっとすぐに伝えられると思うけど!」
こだまから聞いた情報に、私は耳を疑った。
貴「…へ」
《おついち》
お「…あ、もしもしメロやん?
俺だよ、おついち。
ファイル返したいからそっち行っていい?」
メ『いいよ』
お「あと、この前話そうとしてやめた話あるじゃん。
あれも聞きたいし」
メ『ん』
お「じゃ、切るよ」
電話を切り、カバンにファイルを入れて部屋を出た。
お「メーロやん」
メ「おー」
メロやんは1冊の本を持っていた。
お「これ、ありがとう」
メ「どいたま。
なんかわかったことあった?」
お「…うん」
メ「どした?」
お「何も」
メ「そうか…
あ、これ」
メロやんは持っていた本を俺に渡した。
本だと思っていたものは、いろんな事件を綴った事件集のようなものだった。
メ「それの赤い付箋のとこ」
お「開くの?」
メ「うん」
パラパラッと開くと、そこには「家族心中事件」と記されていた。
お「これ…」
メ「読んでみ」
内容は俺でも知っている内容だった。
お「これがどうかしたの?」
メ「その事件、ほんとは心中じゃねぇんだ」
お「は?」
メ「表では心中と流れたけど、本当はマフィアの暗殺だった」
お「どゆこと?」
メロやんはさらにページをめくった。
そこには顔を背けたくなるほどの内容が詳しく書かれていた。
1つ、気になるワードがあった。
お「ねぇ」
メ「ん?」
お「この、未だ二人の子供は行方不明のままってどういうこと?」
メ「この夫婦の苗字、見てみ」
パラパラと前のページに戻り、苗字を見た。
お「…瑠璃月…」
Aの苗字だった。
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作者名:華ヶ崎レオ | 作成日時:2018年2月28日 18時