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第15話 ページ16

《瑠璃月A》


私が拾われたのは、とある事件がきっかけ。


小学2年の時、突然数人の黒い服を着た人達が家に乗り込んできた。


黒服はお父さんとお母さんを拘束し、私の目の前で殺した。


父の首から吹き出す赤い噴水。

母の胸に咲いた、鮮血の赤い花。


私は何が起こってるのか分からなかった。


必死に手を伸ばし、泣き叫んだのを覚えてる。


そして黒服達が私を見た瞬間だった。


私は彼らに飛びつき、テーブルにおいてあったナイフで掻っ切った。


全員の首を切った後、私は自分の置かれた状況に吐き気を催した。


フローリングだった床はヌルヌルの血で埋まり、生きていたものはその場に転がる物体となった。


キツイ臭いとショックから、その場に吐いた。



少し後ずさりし、べぢょっと座り込んだ。


ボーッと自分の手を見つめていると、誰かが入ってきた。


「…これは」


彼はつぶやき、まだ生きている私を見つけた。


「お前がやったのか」


私は顔を上げた。


「パパとママは、こいつらにやられたの。
でももう私が殺したわ」

「…そうか」


彼は私の目を見て目を細めた。


「幼子にしてはいい目をしている」

「どういうことなの…?」

「お前は私と一緒に来るべきだ」

「いやよ。
知らない人にはついて行かないってママに言われてるの」

「私はお前のママとパパの上の人だ」

「上の人?」

「お前のパパとママはマフィアというものだった。
そしてパパとママを殺したのは、敵のマフィア」

「まふぃあ」

「お前は殺しの才能がある」

「…でも、私は吐いてしまったわ」

「慣れればいい」


彼は私を抱き上げた。


「大丈夫、お前は独りじゃない」


そう言って背中を撫でてくれた。


彼こそ、後の私の上司であるボス。


この事件は「夫婦心中事件」と表の世界では広まった。







そしてこの日は、私の誕生日でもあった。







ゆっくり目を開け、息を吐いた。


幼い頃のことを思い出すと、初心に帰れる気がする。


貴「パパ、ママ、私は元気よ」



その時


「た、大変だよ!」


こだまが部屋に飛び込んできた。

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作者名:華ヶ崎レオ | 作成日時:2018年2月28日 18時

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