第1話 ページ2
《おついち》
港にある大きな倉庫の中、
お「準備はいい?」
弟「いいよ。
兄者は」
兄「いつでも」
物陰に隠れ、二人と目を合わせた。
バッ!と飛び出し、銃を構えた。
お「…あれ?」
兄「誰も、いない?」
俺達は周りを見回した。
おかしい…
情報によればここに…
後ろを振り返った瞬間
黒い影が部下達の上をトントントンと音もなく渡った。
そして首から噴水のごとく血を吹き出し、倒れた。
兄「なっ!」
お「何が」
残された俺達は銃を構え、冷や汗を流した。
部下達の血が足元に流れてくる。
どこだ
どこに
突然どこからか銃声がし、手から銃が離れた。
お「くそっ!!」
?「動かないで」
いつの間にか俺達は銃を突きつけられていた。
3人背中を合わせ、両手を上げた。
俺達の前には、女1人ずつが前に立ち銃を構えている。
しまった、油断した。
俺の前に立ち銃を構える女は、顔の下半分を黒い布で隠していて、同じく黒いマントを羽織っている。
マントの隙間から見える漆黒のドレスは彼女の肌の白さを引き立てている。
兄者、弟者の前に立つ女も同じような格好をしている。
お「おっと、こんな美しい人に追い詰められちゃうなんてね。
油断しちゃったかな〜?」
兄「ほんと、たわわ」
弟「兄者ったらこんな時でもそんなこと考えてるの?」
すると俺の前に立つ女が、突然銃を下ろした。
?「…去りなさい」
お「え?」
?「去らねば撃つわ」
弟「逃がして、くれるってこと?」
女は折りたたまれた一枚の紙を、俺の胸ポケットに入れた。
?「早く」
お「…」
俺らは女達に背を向けないようにして倉庫を出た。
なんだったんだ、今の
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作者名:華ヶ崎レオ | 作成日時:2018年2月28日 18時