【A3!】だらりと垂れた、充電コード (ページ9)

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9ボルトページ9

貴「えー、お見苦しい姿をお見せして大変申し訳ありません」

紬「い、いえそんな謝らなくても…！」

万「Aが…メ、メイド…ぶふっ…！！」

紬「万里くん、さっきから笑いすぎだよ？」

万「だって…！！」

最悪だ。

紬さんと万里くんに遭遇し、万里くんに爆笑される始末。

メイドで。

いっそ殺せ。

いや待て、万里くん殴ってから殺してください。

万「あー面白～
んで、なんでメイドなんてコスプレしてんすか」

貴「友達のお手伝い。
2人は？」

万「フラフラとカフェ探し」

貴「まじかよ」

「お、イケメン2人組いるじゃん。
Aの友達？」

貴「あ、同じ劇団の紬さんと万里くん」

「へぇ～。
こんちは、Aの友達のりりぃです」

紬「こんにちは」

万「どもっす。
りりぃって本名っすか？」

「んーん、偽名」

ん？万里くんと紬さんって、カフェ探ししてたんだよね。

私はニヤリと笑って、二人の背後にまわった。

貴「二人って、カフェ探してたんでしょ？」

万「まぁな」

貴「ふぅん」

私は友達に目配せした。

友達は大きく頷き、カフェの扉へ向かってった。

貴「うち、カフェなんだわ。
よかったらよってって～や」

万「え」

紬「えっ？」

貴「紬さんごめんなさいね」

私は二人の腕にガッと自分の腕を絡めた。

貴「ご主人様2名お帰りでぇ～す！」

万「はぁ！？！」

紬「ちょ！」

「ご来店～！」

ストン、と2人を席に座らせ、メニューを渡した。

貴「お決まりでしたらお呼びください」

万「ちょ、A、帰らせ…」

貴「お決まり！でしたら！お呼び！ください！」

万里くん、お前だけは絶対帰さねぇ…！

紬さんに悪いけど、復讐に付き合ってもらおう！

友人から接客は基本普通のカフェと同じだが、メニューによって振り付けやセリフがあると聞いた。

任せとけ、全力でやってやるよ。

紬「じ、じゃあ、このオムライス一つ…」

貴「かしこまりました」

万「俺このアイスコーヒーでよろっす」

貴「ここに普通のアイスコーヒーはありません。
ちゃんとメニュー通りに言ってください」

万「は？」

万里くんはガチガチの表情で言った。

万「も、萌え萌え…キュンキュンアイスコーヒー…」

貴「はぁい！
ミルクはお付けしますかぁ？」

万「ぶっ…よ、よろっす…」

貴「かしこまりましたぁ」

ここまで来たら窒息するまで笑わせてやるよ。