【A3!】だらりと垂れた、充電コード (ページ8)

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8ボルトページ8

「メイドカフェMelty、只今営業中で～す！」

貴「で、で～す…」

満面の笑みで呼び込みをする友人、その隣で泣く私。

こんな所知人に見られたら恥ずかしくてぶん殴りそう…

「ちょっとA、そんなんじゃお客様来ないよ」

貴「わかってるけど…」

「はい！恥じらい捨てて！
お前はメイドだ！」

貴「私は、メイド…」

「そうだ！お前ならやれる！」

その時、私の中で役者スイッチが入った。

貴「メイドカフェMelty、営業中で～す！
ご主人様やお嬢様のお帰りをお待ちしてま～す！」

「その調子！」

あぁんもうどうにでもなれぇん！！

「あ、あの、お写真いいですか…」

貴「え、あ、はい！」

写真も頼まれるのね

私は普通にピースした。

「あ、ありがとうございます…
良ければお名前お願いします…」

貴「えーと…」

「すいませんご主人様。
この子まだ新人さんなので、お名前が無いんです」

すかさず友人がフォローしてくれた。

「そうなんですか…
でもとても可愛いから、僕君のファンになりそうです」

貴「ありがとうございます」

「よろしければ連絡先とか…」

貴「え！？」

「あーっと、ご主人様ぁ～！
メイド達との連絡交換はしてないんです～」

「え、そうなの？
でも僕欲しいなぁ…」

ここは私がなんとかしなきゃ！

私は両手を胸に当てた。

貴「ご主人様のお気持ち、とても嬉しいです。
けれど私達はメイド…
それもたくさんのご主人様に仕えるものです。
誰かひとりのメイドにはなれません」

「う…」

貴「また私が来た時にご主人様のお顔を見せてください。
私はご主人様にお会い出来る日をお待ちしております。
その時は貴方様のお側にいさせてください…」

「は、はい…」

男性はまるで油の切れたロボットのような動きで去っていった。

「流石は元演劇部」

貴「おうよ」

その時だった

紬「A…さん？」

貴「ファ？」

終わった