【A3!】だらりと垂れた、充電コード (ページ38)

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最終話ページ38

貴「おはよ」

監「おはよ～」

一「おっは～」

監「昨日の夜は暑かったね～」

貴「ね～
けど外でコオロギ鳴いてたから、そろそろ夏も終わりだよ」

一「え～！」

貴「そういえば、みんなは？」

監「中庭だよ」

中庭？

監「行ってみなよ」

一「俺も後で行くよ～ん！」

疑問に思いながら中庭に行くと

三「そぉ～れ！！」

貴「わっ！」

突然水をかけられた。

貴「も～何～？」

水を拭ってみんなを見ると、水風船や水鉄砲を持っていた。

太「Aさん討伐完了ッス！」

貴「やったな～！」

私はテーブルにおいてあった水鉄砲を取り、みんなにかけた。

貴「うわびしょ濡れ」

椋「流石にやりすぎましたね…」

幸「いい感じに涼めたからいいんじゃない？」

監「みんな～！お昼のそうめん出来たよ～！」

三「そうめん！」

監「服着替えて来てね～」

中庭に取り残された私と紬さん。

臣くんが持ってきてくれたタオルで髪の毛を拭いた。

紬「結構濡れちゃいましたね」

貴「紬さん結構水風船投げるの下手くそなんですね」

紬「いつ割れるか怖くて…」

貴「まぁ、その投げた水鉄砲が私に直撃したんですけど」

でも楽しかった。

本当に。

紬「Aさん」

貴「ん？」

紬「今度、隣町で花火大会があるんです。
よかったら行きませんか？」

貴「いいですね！
じゃあいづみも…」

紬「いえ、出来れば…2人で…」

そう頬を染める紬さん。

私も釣られて顔を染めた。

貴「…はい」

紬「ありがとうございます…！
浴衣、楽しみにしてますね」

貴「え、浴衣！？」

また着るのか…

貴「わかりました」

密「何、お出かけ？」

貴「うわ！」

紬「わ！！」

ザ！と木の上から密さんが顔を出した。

密「ならマシュマロお願い」

貴「いや、今日お出かけはしないんですけど…」

密「そうなの？
でもマシュマロ、無くなったから」

貴「わかりましたよ」

紬「俺も行きます」

その花火大会で、私の人生の分岐点がまた一つ増えることを、まだ知らない。

私の充電コードは、紬さんに。

ー終わりー